こんにちは。@ラジグラです。
なんかタイトルは大層なことを言っているのですが、これどっぷり長くなる話なので何回かに分けてやっていきます。
「実写化」決定みたいな感じで、「シリーズ化」決定っす!そして、ほとんどストーリーを作っていきます。解剖があれば、ストーリーはすんなりといける!
肺炎を起炎菌まで読影できたら、最高
肺炎とは、肺実質・間質の急性感染症のことです。症状は、発熱、咳、痰、呼吸困難、胸痛等様々で末梢血白血球数の増加、CRP陽性などの検査所見を呈します。肺炎の原因菌を推定することは、治療で的確に行うために重要な事だと思います。肺CT撮影して、白いから肺炎決定!って終わると誰でもわかるよ!って話でもう一歩前に進んでみましょう。
しかし、分類がとてもややこしいので順番にいきます!
肺炎をまず、罹患場所で分類すると
- 市中肺炎
- 院内肺炎
そして、それぞれガイドラインがありますので興味ある方は見てみてください。
次に原因菌(起炎菌)で分類すると
- 細菌性肺炎
- 非定型肺炎
- ウィルス性肺炎
もう多すぎるので重要なのを最後に残しました。そして、上述した白血球数増加やCRP陽性についても記事にしています。これは診療放射線技師法に基いて説明しているので、放射線技師さんだとわかりやすいかもしれませんね!
肺炎の病変・形態による分類
肺炎像で覚えて欲しいのは「浸潤影」と「すりガラス影」のふたつ!
そして、その2つは大きな分類になります。
- 浸潤影 → 実質性肺炎
- すりガラス影 → 間質性肺炎
今回のテーマは「実質性肺炎」です!
浸潤影・実質性肺炎のメカニズム
メカニズムを覚えるというか理解すれば、画像もそれと同じ結果になることが多いのでざっくり覚えましょう。
炎症細胞(リンパ球、好中球)が肺胞内に分布して、肺胞内に浸出液(右図の肺胞内の青)が充満すること。肺胞に浸出液が浸潤している状態。充満した浸出液はKohn孔を介して隣接する肺胞へ進展してきます。
言葉だとさっぱりなので、イラスト化しました。小葉内の肺胞がすべて浸出液(右図の肺胞内の青)でたまっている感じしますか?
実質性肺炎を画像で見ると
肺胞内に浸出液が溜まっているのでX線が減衰されます。そのため、真っ白くべったりとした陰影が実質性肺炎(浸潤影)の特徴になります。
真っ白くべったりとした陰影→浸潤影→実質性肺炎
実質性肺炎の代表例:肺炎球菌
ストーリーをつけて覚えると覚えやすいですよ!最近、CMでワクチンの紹介をしている「肺炎球菌」でストーリーをやっていこうと思います。
肺炎球菌のストーリー
肺炎球菌は肺胞に炎症(実質性肺炎)を起こすのですが、気管支には興味がありません。つまり、気管支は炎症が起きないので特徴的な画像ができます。その気管支に興味がないことを示すのが「Air Bronchogram(エア ブロンコグラム)」になります。
「Air Bronchogram(エア ブロンコグラム)」を知らない人はここで覚えちゃいましょう!
「Air Bronchogram(エア ブロンコグラム)」とは、気管支周囲の肺胞に浸出液等が溜まり、肺炎(画像的には白)になった部分に気管支が透亮像(画像的には黒)として見えること。
端の淡い白い部分はどうなっているんだ?
タイトルだとちょっと説明しずらいのですが、べったり白い部分の周りの淡い白はメカニズム的にどうなっているのか?ということです。もう一度、考えてみましょう。肺炎球菌に感染され、肺胞内に浸出液がいっっぱいになり、Konh孔を通って隣接する肺胞に浸潤していきます。
無気肺の時は、Kohn孔に助けられ、肺炎球菌の時は、Kohn孔が浸潤を助長させた感じですね。便利なような不便なようなKohn孔っす。
[Kohn孔関連記事]
[新人必見][肺シリーズ3]肺疾患を理解、読影するための肺の解剖!ラストスパート!
図説したものがこれです。図から分かるように肺胞が0.2mmなのでKohn孔はもっと小さいです。
起炎菌、今回は肺炎球菌のサイズが小さいからKohn孔を通って広がっていけるわけです。なので、実質性肺炎は基本的に起炎菌のサイズが小さいというのも覚えましょう。
ということで、真っ白べったりな状態と淡い白い状態をまとめました。
今回はちょっと長めでしたね!おつかれさまーー!
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