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エコー信号について考えてみよう!

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新人技師

あ、そこいくのね…

ラジグラ

Spin echo法をやってるから結局ここは押さえたいところだよね

目次

90°RFパルスを当てたときの理解を深めよう!

SE法のPSD
SE法のPSD

さて、90°RFパルスをあてたことでなにが起きたかを考えてみましょう。今回の記事はエコー信号(スピンエコー)についてなのでSignalとRFだけをかんがえていきますので下にPSDを切り抜きました。

RFとSignalのPSD
RFとSignalの切り抜き

さて、90°RFパルスがかかった部分を考えていきます。

90°RFパルスがかかった部分に赤色の波があります。これの波は自由誘導減衰(以下:FID:Free Induction Decay)といいます。

横磁化の図
90°RFパルスを印加した図

このFIDは横磁化を表しています。なんで横磁化と考えるかというと上の図をみるとはじめ縦になっていたものが90°RFパルスによって横になっていますよね?なので、横磁化が発生して、縦磁化がなくなったことになります。そして、時間の経過があると紫色だった矢印は位相の違いによって分散をしていきます。分散したことで紫だった矢印は、赤矢印と青矢印にわかれます。ここではわかりやすいように2本だけにします。

横磁化の図
上の赤矢印と青矢印のベクトルをまとめたもの

さて、2本に分かれる前の紫矢印よりも2本にわかれて向いているベクトルがばらばらなので、この段階(時間が経過している)で紫のようにまとめてみるとベクトルは短くなっています(上の図に赤と青矢印の合算の紫矢印をいれました)。これがFIDの減衰を表していることになります。時間がどんどん経過していけば、どんどん減衰をしていきます。

この減衰を式で表すことができます。

e-t/T2*

これは混乱しやすいのでここでまとめます!下の図をみると時系列がわかりやすいと思います。そして、180°RFパルスまでいきます。

PSDの小まとめ
PSDとFID概念の小まとめ

ちなみにこの減衰を読み出す場合はGRE法になります。しかし、減衰している信号を読み取る言うことは信号強度は弱いということはわかると思います。なので減衰していない信号を読み取りたいのがSE法です。

SE法とGRE法のコンセプトの違いは信号強度の強さをどのように収集するかの違い

180°RFパルスとはなんだ?

さて、今FIDで信号は分散をおこし、どんどん信号は弱くなってしまっています。SE法は信号強度を強くして収集したいのでコンセプトからずれます。そこで役に立つのが180°RFパルスです。別名再収束パルスともいいます。

180°RFパルス → SE法では再収束パルスともいう

言葉でもわかると思いますが、「180°態度を変えた」=「反対の態度に変えた」ということですよね。つまり、いまFIDは「分散している」という状況なので180°RFパルスによって「収束している」という反対の効果を持ちます。

再収束を示した図
180°RFパルスによる信号変化

さて、180°RFパルスの効果はわかったと思います。さきほどの分散をしている状態で印加をすると収束をする動きに変えます。そして、時間の経過があると1本に戻ります。その流れを上の図に動きを書きました。実際は紫矢印はもともとの紫矢印よりも若干短いですが、説明はここでは省きます。覚えておくだけでいいです。

さきほどは減衰をしていましたが、180°RFパルス(再収束パルス)によって信号は「増幅(減衰の反対)」されます。なので、FIDの減衰の波とは反対の波になります。ここでまとめます。

180°RFパルス(再収束パルス)までの小まとめ
PSDとFID概念とスピンエコー半分の小まとめ

上にまとめた図を書きました。見にくいとは思いますが、180°RFパルスを堺に線対称になっていることがわかると思います。そんなにむずかしくないですよね?エコー信号(スピンエコー)半分までできてきました。

再収束したあとまた再分散していく図

どんどん時間を進めていきましょう。再収束した波はまた分散をしていきます。また、分散していく波を想像しながら最後のまとめに入ります。

PSDに分散、再収束、分散をまとめた図
PSDにFID概念とスピンエコー概念を入れたまとめ

どうですしょうか?しっかりエコー信号(スピンエコー)ができあがりましたよね?前に記事にもしましたが、切り分けて考えていくと案外簡単に理解できるようになりますよ!

180°RFパルスを印加するタイミングは重要!

エコー信号(スピンエコー)の成り立ちは理解できたことを願っています。そして、180°RFパルスを印加するタイミングはとても重要になります。180°RFパルスを堺に線対称という説明を途中にいれました。感のいい人は、TEの半分なんだなということがわかると思います。説明の仕方を変えてみます。

Aさんはτ時間で3歩すすめる人とし、Bさんをτ時間で6歩すすめる人とします。(唐突w
下にτ時間後の様子をまとめました。進んでいる距離が違います。これが分散ということになりますね。

TEのタイミング説明
AさんとBさんの進み方

そして、180°RFパルスを当てます。反対の行動をすることになり、向きが逆になります。さらにτ時間時間をすすめます。

TEのタイミング説明
AさんとBさんの戻り方

当たり前の話ですが、AさんもBさんもはじめにいた場所に戻りました。これが位相が揃っていることになりますよね。

言葉にしていきます。

AさんとBさんは進む距離がお互いに違います。0秒から歩きはじめ、τ時間経過時に180°RFパルスを印加すると2τ時間後には同じ位置に戻れます。

この説明のτを1/2TEに入れ替えてみましょう。

AさんとBさんは進む距離がお互いに違います。0秒から歩きはじめ、1/2TE時間経過時に180°RFパルスを印加するとTE時間後には同じ位置に戻れます。

ここからわかることは180°RFパルスを印加する時間は1/2TEということがわかります。タイミングって重要ですね!

エコー信号について考えてみよう!のまとめ

今回は、エコー信号(スピンエコー)についてまとめてみました。成り立ちなどの理解に役に立てれば幸いです!

エコー信号について考えてみよう!のまとめ
  • 90°RFパルスを印加すると自由誘導減衰(FID)が起きる
  • 時間が経過すると分散している
  • 分散をすることで信号は減衰し、式で表すと「e-t/T2*
  • SE法とGRE法のコンセプトの違いはFIDの収集かエコー信号(スピンエコー)の収集の違い
  • 180°RFパルスは再収束させる役割
  • エコー信号(スピンエコー)の成り立ちについて書きました
  • 180°RFパルスの印加タイミングは重要

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