こんにちは!@ラジグラです。ちょっと更新が遅れてすいません!
最近、よく腎腫瘍がよく来るので前回から少しまとめてみました。
参考記事 [症例]腎血管筋脂肪腫と腎細胞がんで迷う一例
まず、診断をする際のポイントとそのあと症例提示していきます。
今回はCT、MRIを出します。
腎腫瘍で鑑別診断する理由は?
どんな病気も良悪性を考えて診断をするわけですが、鑑別診断がなぜ必要なのか考えると
- 治療法が変わってくる
- 治療方針が変わってくる
- 治療薬が変わってくる
といった感じですよね。
では、腎腫瘍の場合はどうなのか?
- 手術なのか?
- 腎摘出なのか?腎尿管全摘出なのか?
- 化学療法なのか?
- 化学療法なのか?免疫療法なのか?分子標的薬なのか?
多岐に渡って治療方法、方針が広がるので画像診断の重要性がわかると思います。
腎腫瘍の検査別ポイント
腎腫瘍の精査は、制限がなければダイナミックCTが一般的かな。
メリットとして、性状判断、リンパ節転移評価、遠隔転移検索などが挙げられます。
MRIは、CTで鑑別診断が出来なかった場合や、腎機能が悪い場合、ヨードアレルギーがある場合に使います。MRIのメリットは、偽被膜の鑑別や資質的判断が挙げられます。
腎腫瘍の診断ポイント
さて、ここからが本題ですね。ダイナミックCTの時相についてと評価部位ですね。病変評価だけではなく、皮髄相を使って進展が血管まであるかなどいろいろ評価していきましょう。
- 単純CT:石灰化や脂肪をみる
- 皮髄相(30秒から80秒)(30秒:早期皮髄相):腎動静脈の評価、腫瘍の血流評価をみる
- 実質相(90秒から130秒):腎実質が染まり、病変を評価する
- 排泄相(300秒):腎盂を評価する
腎細胞癌のダイナミックパターンの一例
「前回の腎細胞癌」の記事でも書いたように
腎細胞癌(RCC)のダイナミック造影パターンは以下のようになる。
- 単純CT:腎実質と等濃度かやや低濃度
- 皮髄相:腎皮質と同じ造影効果
- 排泄相:腫瘤内の洗い出し
といったわけで前回記事の画像も見慣れるとこのダイナミックパターンで
今回の画像もお手本の造影パターンですね。
そして、ここで押さえときたいのが組織型!
- 淡明細胞型(一番割合が多い):不均一な濃染するピークを形成
- 嫌色素型:均一な中等度のピークを形成
- 乳頭型:漸増するパターン、比較的均一
- 透析における腎癌(ほとんどが淡明細胞癌)
これさえカバーしていれば、腎細胞癌はほとんどがわかると思います。
では、画像所見からも考えてみましょう!
腎細胞癌の診断方法をまとめる
では、どのように診断をしていくかまとめてみました。
今回の腫瘤は「膨張性」か?「浸潤性」か?
- 嚢胞(Cyst)ならBosniak分類へ
- 膨張性であれば、脂肪の確認をする
- 脂肪があれば、腎血管筋脂肪腫(AML)
- 脂肪がない
- 皮髄相で腎実質の同様の染まりがあり、排泄相で洗い出し(Wash Out)しているなら淡明細胞癌
- 他の組織型の造影パターンも考慮する
- 単純CTで腎実質よりも高信号で洗い出し(Wash Out)がないなら脂肪を含まない腎血管筋脂肪腫(AML)もしくは乳頭状、平滑筋腫、後腎性腺腫
- 浸潤性ならほぼ腎細胞癌(RCC)
- わかならい場合は、他の検査で確認
といった感じになります。特に小さい腎細胞癌は造影CTでは判別しにくいのでフォローして、また再検査となると思います。
小さい場合は、フォローにしても予後がいいので、あやふやで手術するより治療方針も多岐にわたりますからしっかり判別をしたいです!
また、大きさでも悪性を考えてみましょう!
- 3cm未満は良性
- 4cm以上は約90%で腎細胞癌(RCC)
嚢胞のBosniak分類は次回の記事にしますね!
腎細胞癌のMRIはどうなの?
前述したように造影CTが出来ない場合やCTで微妙だった場合はMRI検査になると思います。
確認すべきは、
- T2画像にて「偽被膜」を確認する
- DWIにて高信号でADCで低信号を確認する
- 脂肪を含むか資質的判断をする
今回は内容が濃くなってしまったので更新が遅れてすいませんでした!
内容は濃くて長いので時間かかってしまいました。
読む人も大変かと思いますが、何度か分けて読むといいかもしれません。
今週末は「ITEM 2014」ですね!
では、このへんで!
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