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PSDは3次元から4次元へ!

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新人技師

もうタイトルで心折られたわw

ラジグラ

心折られる技師は多数らしいよ!

PSDで心折られた割合(あくまで参考
ラジグラ

自分も何回折られたかわかりません…

目次

3次元の情報とは?

以前の記事にも書いたけど、PSDには様々な情報が入っています。横軸に「時間」、縦軸に「強度(強弱)」。そして、傾斜磁場が「方向」を示していると書きました。

さらなる理解のために進化をしなくてはいけない

以前の記事は「方向」について理解してほしかったので、「3次元」という説明をしました。しかし、この記事を読んだ人は疑問を持った人もいると思います。

疑問に思った人がいそうな部分の画像を出します。

Gs(スライス傾斜磁場)
SE法PSDよりGs部分だけ切り抜き

赤い部分については記事内で説明をしましたが、マイナス方向にでている傾斜磁場については説明をしませんでした。ここに疑問を持った人がいると感じています。今日はここにFocusしていきます。

実は3次元ではなく、4次元だ!

上の図でマイナス方向に傾斜磁場をかけているのを理解するには、「位相」を理解しなくてはなりません。そして、先に書くとPSDは「時間」「強度(強弱)」「方向」「位相」という情報が入り込んでいる4次元のチャートなんです。

PSDには4次元の情報(時間・強弱・方向・位相)が入り込んでいる。

この位相については、暗記事項として以下の記事に書きました。

傾斜磁場を印加することで位相分散を起こす

これを踏まえてやっていきましょう。

位相はこう考える!

位相についてもPSD読解と同じように一個一個丁寧に考えれば、難しくないのでやっていきましょう。

PSDに位相情報を入れた図
SE法の切り抜きと位相情報

RFとGsを切り抜き、位相について書き込みました。まず赤線の説明になります。静磁場中に水素原子がありますので、位相は揃っていません。なので、位相シフトはプラス(分散)している状態ということを示しています。

傾斜磁場をかけた位相の図
傾斜磁場をかけた段階の位相情報

さて、時間を進めていきましょう。Gsに傾斜磁場がかかりました。上にも書いたように傾斜磁場を印加することで位相分散を起こすので、静磁場中にいた状態よりもさらなる位相分散がかかります。これを難しく書くと「dephase」されているといいます。「dephase = 位相分散」ということですね!

RFをかけた状態の位相の図
90°RFパルスをかけた段階の位相情報

次に90°RFが印加されています。90°RFパルスは位相を揃える効果があり、位相が揃うと位相シフトは「0」になります。これをまた難しく書くと「rephase」といいます。「rephase = 位相が揃う(再収束)」ということですね!

RFが切れた状態の位相の図
90°RFパルスが切れた段階の位相情報

90°RFパルスのおかげで位相は揃いましたが、RFパルスが切れ、そのままGsの傾斜磁場は印加されているのでまた位相が分散を起こします。また、dephaseされています。位相って本当に大変ですよね!揃わされたり、不揃いにさせられたりで。

マイナスの傾斜磁場がかかった位相の図
マイナスの傾斜磁場が印加された段階

さて、ここで次ははじめにかかっていたGsの傾斜磁場の時間の半分の時間のみマイナスに傾斜磁場がかかっています。マイナス方向なので位相シフトは減ります(rephaseされる)。Rephase lobeをかけることで信号を損なわずに済むというメリットがあります。これがマイナスにかけている理由になります!

せっかくなのでこのままSE法のPSDにある位相について解説していきますね。

なにも印加されていない位相の図
傾斜磁場がきれた段階

傾斜磁場が切れました。そして、RFもかかっていませんので位相シフトは変わりません。

またGsの傾斜磁場が印加された位相の図
Gsの傾斜磁場が印加された段階

落ち着いていた位相も傾斜磁場のせいでまた位相分散を起こします。

180°パルスをかけた状態の位相の図
180°RFパルスをかけた段階

180°RFパルスは反転する作用を持ちますので位相はプラスにあった状態からマイナスの状態へ反転させられます。

180°パルスが切れて傾斜磁場がかかる位相の図
180°RFパルスが切れた段階の位相情報

180°RFパルスが切れますが、Gsは継続して傾斜磁場が印加されていますのでマイナスに位相シフトがあったものがプラスに移動して位相シフトは「0」になります。

傾斜磁場がきれた段階の位相の図
傾斜磁場がきれた段階の図

やっと最後です。傾斜磁場はなにもかかっていない状態なので位相の変化はありません。このようにPSDには位相情報が含まれています。

SE法のPSDにすべての位相情報を盛り込んでみた

SE法のPSDにすべての位相情報を書いた図
SE法のPSDにある位相情報

ということで全部の傾斜磁場に位相情報をいれたのが上の図になります。作っているうちに混乱しましたw

この位相はSE法でクリアにしておくとGRE法ではとても役にたちますのでぜひ、習得して損はないと思います。

PSDは4次元だのまとめ

まとめに入ります。かなり図をつかった記事になりましたが、PSDには様々な情報が含まれています。これをおさえておけば、PSDの理解だけではなくシーケンスに対しての理解度が深まりますのでぜひ、習得してみてください!

PSDは4次元だのまとめ
  • PSDには時間・強弱・方向・位相の情報が記載されている
  • 傾斜磁場を印加すると位相分散を起こす
  • 傾斜磁場の方向で分散する方向が決まる(プラスとマイナス)
  • dephaseとrephaseについて
  • rephase lobeは信号を損なわないメリットがある
  • 90°RFパルスには位相を揃える効果がある
  • 180°RFパルスは反転をさせる効果がある

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