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Pulse sequence diagramの理解度を増やすために!

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ラジグラ

Pulse sequence diagram(以下:PSD)って便利だよなー

新人技師

全然使い方すら知らないし考えたくない部類に入ってますが

ラジグラ

たぶん、見方を理解しないとすべてを同時に理解しようとして破綻するの

目次

Pulse sequence daigramは楽譜?

よくPSDは楽譜とか表現されるけど、理解するにはこれだと理解に結びつかないと思ってます。
(自分が音楽に疎いということもありw
おそらくいっぺんに理解しようとしてチャートみたいなイメージで見てしまい、はじめはよくてもだんだんわからなくなるのがPSDの特徴!さっそく見方についてやっていきますか。例として下にSpin Echo法(SE法)のPSDでいきます!

SE法のPSD
SE法のPSD

まず、それぞれの説明を簡単にします。まず、主役たちの紹介ですね!傾斜磁場については頭文字をとって「Gs」や「Gp」と名称がついているのでそんなに難しくないと思います。

PSDに記載されている項目について
RF

ラジオ波、励起パルスで90°パルス、180°パルス

Gs

傾斜磁場(Gradient) スライス変換(Slice encode)

Gp

傾斜磁場(Gradient) 位相変換(Phase encode)

Gs

傾斜磁場(Gradient) 周波数変換(Frequency encode)

Signal

MR信号

SE法PSDのRFとGsを切り抜いた図
SE法のPSDを一部切り抜き

それぞれの主役たちには「基線」となる横線があり、これが右に進めば「時間」が進むことになります。

基線の上下に矩形や波が記載されています。場所はタイミングで上の図でみると180°パルス(再収束パルス)は1/2TE秒後に印加されているを示しています。傾斜磁場では矩形の波が上下に記載され、これは印加している強度を示しています。

RFとGsを少し見てみましょう。1/2TE秒のタイミングをみてみるとRFの180°パルス(再収束パルス)とGsを同時に印加をしていることがわかります。また、Gsの印加はプラスに印加していることを示しています。ここまでは簡単なのでイメージしやすいと思います。まとめると横軸が時間、縦軸が強度ということが伝わっていれば大丈夫です。

基線の横軸は「時間」、縦軸は「強弱」を示している。

印加をプラスに印加するとは?

傾斜磁場の強度について
印加するとは、傾斜磁場の勾配を変えているということ

一個前の章でさらっとプラスに印加していると書きました。おそらく上に矩形があればプラス、下に矩形があればマイナスということが一瞬で理解できたと思います。
上の図では、Gsで上下に矩形波が出ています。矩形波がどのようなことを示してるかというと、Gsは傾斜磁場であり、矩形波が出るタイミングで傾斜磁場を印加して傾斜磁場の勾配を変えていることを示しています。勾配についてはのちのちやりますね。

矩形波は傾斜磁場の勾配を変えていることを示している。

矩形でない波はなにを示している?

位相変換の傾斜磁場について
ダンゴムシの正体は?

波と矩形波のほかにダンゴムシのような波があります。これは波の集合体を表しています。「集合体?」となると思いますが、SE法では周波数マトリクスの値分だけ位相変換をするのですが、それをそのままチャードとして書いてしまうとえらく理解しにくくなり、横にどんどん伸びてしまいます。実質、値も撮像者によってかわりますのでチャートとして使用するために省略図というか集合体というべきかこのような表示になっています。

わかりにくいので位相マトリクスを「5」としましょう。では、どのように傾斜磁場の勾配をかけるのか?

位相変換の傾斜磁場の解説
ダンゴムシの正体はこれだ!

正解は傾斜磁場の勾配をマイナスを2回、傾斜磁場をかけない1回、勾配をプラスに2回をかけます。その図を上に書きました。足し算した図がダンゴムシの正体ということになります。分解すれば意味もわかりやすくなるよね。

位相変換の波は、傾斜磁場の勾配を複数かけた集合体で表されている。

このダンゴムシはほかのところから理解できるものがあります。以前の記事でSE法の撮像時間について書きました。

撮影時間=TR(繰り返し時間)×位相数(Phase Matrix)×加算回数(NSA)

この計算式から考えると位相数(Phase Matrix)をTR(繰り返し時間)でかけています。今回、ダンゴムシになっている傾斜磁場もGp(位相方向)です。TRを繰り返しているのは計算式から考えると位相数になりますのでダンゴムシの意味を理解できるかもれませんね。

忘れてはいけないのが方向!

今の段階の説明では2次元の話(縦軸と横軸)ですが、難しく感じやすいのは「方向」の認識をしていないからと考えています。この2次元のPSDには「方向」という情報が含まれているんです。方向とはさきほどGsなどの説明に書いた3つの傾斜磁場が示すもので「スライス方向・位相方向・周波数方向」です。

PSDで意識してほしい方向について
Gsなどの傾斜磁場の切り抜き

上の図で方向を意識して少し考えてみましょう。GpとGfで同時に印加している部分があります。これは同時に印加はしているのですが、印加している方向がまったく違うことということになります。そうなると作用もまったく変わることになり、混乱してしまう人はここが同じところに印加されていると認識して混乱してしまうのです。

SE法PSDの説明の図
SE法のPSDを一部切り抜き(再掲)

もう一度さきほどの図を持ってきましたが、ここまでの説明をまとめて考えると赤矢印部分は1/2TE秒後にスライス方向の傾斜磁場をプラスに印加しているということになります。

なので、2次元の図に3次元(時間、強弱、方向)の情報が入り込んでいるので混乱してしまうことが多いのかなと。

PSDには3次元の情報(時間・強弱・方向)が入り込んでいる。

PSDのまとめ

今回はPSD(Pulse sequence diagram)についてかんたんに記事にしました。項目の説明や矩形波、波についてさわった感じになります。基本を押さえてPSDをみていくと撮像現場でもパラメータを変更するときに役に立つのでぜひ、覚えてください!

PSDについてのまとめ
  • 表示されている項目は、「RF波」「Gs」「Gp」「Gf」「Signal」
  • 基線の横軸は、「時間」
  • 基線の縦軸は「強弱」
  • PSDは2次元のチャートだが、「時間」「強弱」「方向」の3次元チャートである
  • 位相変換の波は、傾斜磁場印加の集合体である

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