こんにちは。@ラジグラです。最近、バイトをすることがなくなったのですが、やはり「MC─ナースネット」とか見ていると看護師さんの需要というのは本当に高いんだなって思います。
でも、診療放射線技師だってもっと必要となる時代が来る!と思っています。
さて、以前の記事で「マイコプラズマ」についてやりましたが、まだ自分の胸部CTを読む力が足りなかったことを痛感した症例を記事にしたいと思います。
参考記事 若年層に多い非定型肺炎のマイコプラズマ肺炎を大解析!
参考記事 肺炎を見極めるための予備知識を詰めよう!
マイコプラズマの画像
外来患者の胸部レントゲン写真と胸部CTをまず、見てください。
どうでしょうか?右S4(赤)に浸潤影を認め、右S5(青)には粒状影が見えます。左S3(黄)にはエアーブロンコグラム(Air Bronchogram)があり、左S4(緑)には網状影、左S8には(左)横隔膜シルエットサイン陽性で浸潤影が認められます。他には左S6に下行大動脈(上部)シルエットサイン陽性(紫)があります。
ここで私は失敗をしたと後になって気付きました。もうここでエアーブロンコグラム(Air Bronchogram)が見え、浸潤影があることから「肺炎球菌肺炎」とほぼ思い込んでしまったのです。粒状影などすっかり頭からなくなっていました。
参考記事 [肺シリーズ6][肺炎シリーズ]肺炎を見極めろ!でも、先は長いから、今回は実質性肺炎を理解しよう!
では、胸部CTです。
確かにエアーブロンコグラム(Air Bronchogram)があり、周りに真っ白べったり浸潤影があると間違って読んでしまったのです。もうこれは胸部レントゲンを読んだ際に、完全に頭にすり込んでしまったので気づけなかったです。
よく見るとこれは真っ白べったり浸潤影と「濃い」すりガラス影があるではないか!
マイコプラズマの発生機序
もう一度復習しよう!マイコプラズマ!
気管支炎を起こしながら、小葉中心性結節影(Tree-in-bud appearance)を起こす。そして、非定型性肺炎であり、間質性肺炎であること!
参考記事 若年層に多い非定型肺炎のマイコプラズマ肺炎を大解析!
今回ではなんで実質性肺炎のように見えたのか?それは簡単なことで重症化しているからです。肺胞を埋める間質性肺炎はどんどん波及することで小葉構造全部に炎症を起こしたので実質性肺炎のように見せただけ!今回の胸部CTを見ると「濃い」すりガラス影がそれを証明していると思います。
では、重症化したのを恒例のイラスト化しました。間質部分(オレンジ色)部分の炎症がはじめは小葉中心性結節影だったのが、どんどん波及していき小葉構造を埋め尽くすようになり、さらには炎症により間質部分が肥厚してしまうと右側のようなイラストになる。だけど、空気は微妙に含んでいる(白)ということになる。
マイコプラズマの重症化
もう一回画像をThin Sliceで確認をすると「濃い」すりガラス影の中に粒状影が確認できる。重症化すると小葉中心性結節影(tree-in-bud appearance)はわかりづらいと思う。
あとになって採血検査の結果を見ると「WBC 6000 肺炎球菌(-)マイコプラズマ(+)」というマイコプラズマを裏付ける結果となった。
肺炎球菌とマイコプラズマのエアーブロンコグラムについて
では、エアーブロンコグラムがあった際に「肺炎球菌」と「マイコプラズマ」を見極めるには、下のイラストで解説します。
肺炎球菌は気管支に炎症を起こさないが、マイコプラズマは起こす。つまり、エアーブロンコグラムでは、マイコプラズマの方が細く見えるということになる。
では、どうやって細いか確認する方法は、左右を比較すること。反対側の気管支が見えない時は肺動脈を利用しよう。気管支と並走している肺動脈はほぼ似た径になっているので基準として使おう!
今回の症例で見ると右側に見えている肺動脈より左に見えているエアーブロンコグラムはかすかに細いように思える。
マイコプラズマの重症化のまとめ
マイコプラズマは重症化すると実質性肺炎のようにみえる「濃い」すりガラス影になる。また、その中には粒状影を認める。エアーブロンコグラムは気管支炎を併発していることより、肺炎球菌肺炎よりエアーブロンコグラムが細く見えるということですね!
ということで失敗から多くを学べたいい症例だと思います。
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カテゴリ: メディカル
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