こんにちは。@ラジグラです。
やっと論文終わって無事に提出できました。あとは結果は2月末に出るらしい。お約束通りブログの更新です。今回は、縦隔を中心にやっていこうと思います。
縦隔から肺疾患を考える
少しずつ実践へいきますか!上の右の右肺と左の左肺の肺疾患を考えてください。(両方背臥位撮影と仮定します)選択肢は「無気肺と胸水」です。
どっちも白いですよね?でも、病名は違いますよね?(本当は肺野陰影読影すれば、いいのですが…)
解説の前にこの疾患名を考えることで知ってほしいことは、縦隔の解剖と疾患名でこの後のアプローチが変わるということです。
アプローチは技師の領域じゃないので、さらっと!
- もし、胸水なら胸膜疾患のため胸腔穿刺や胸腔鏡を行います。
- もし、無気肺なら気管支疾患のため気管支鏡を行います。
これが全てというわけではないです。でも、これだけアプローチが変わるということだけ覚えれば大丈夫だと思います。
今回のテーマは縦隔なので、縦隔から読んでいきます。
縦隔について
解剖はさておき、どれくらい縦隔の硬さを知っていますか?結構柔らかいんです。縦隔は「疎性結合組織(繊維がバラバラのもの)」で埋められているからです。
この柔らかいことを利用して上の症例を考えてみましょう。
気管のシフト(Shift)を利用しよう
縦隔が柔らかいということは押されたり、引っ張られるとシフト(Shift)してしまうということ。そのシフト(Shift)を見るには気管のシフト(Shift)をみます。
上の症例の
- 右は「患側にシフト(Shift)」している。
→ つまり、患側に引っ張られていることになる。 - 左は「健側にシフト(Shift)」している。
→ つまり、患側から押されていることになる。
<解答>
右は気管が患側にシフト(Shift)していることより、引っ張られていることがわかる。無気肺は肺が潰れてしまう疾患のため周りの組織を引っ張ります。
左は気管が健側にシフト(Shift)していることより、押されていることがわかる。胸水の重みにより気管が押されていることがわかる。
肺野陰影も評価しましょう
右の肺尖部はべったり真っ白く抹消肺動脈の陰影が見えません。肺が潰れていることを示します。左はうっすら抹消肺動脈など肺紋理が見え、肺が潰れてないことがわかります。
これだけでも疾患名は選択出来ます。
気管がシフト(Shift)しているけど
上の疾患みたいに気管はシフト(Shift)しているけど、両肺野ともに異常陰影が認められない場合、何を考えますか?解剖と好発疾患がわかれば簡単です。
縦隔の解剖
縦隔の解剖は
- 上縦隔
- 前縦隔
- 中縦隔
- 後縦隔
に分かれています。また、それぞれの部位で出来やすい腫瘍があります。
- 上縦隔:甲状腺腫瘍
- 前縦隔:胸腺腫、胸腺癌、胚細胞腫瘍
前縦隔の足側:心嚢のう腫 - 中縦隔:気管支のう腫、リンパ腫
中縦隔の足側:食道のう腫 - 後縦隔:神経原性腫瘍
<解答>
上の症例は気管が右へ大きくシフト(Shift)し、シフトしている気管は上縦隔部分になり、両肺野に異常陰影が認められないことより「甲状腺腫瘍」が疑われる。
今回はこれくらいで!!
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