こんばんは。@ラジグラです。
先週、胸部レントゲン、胸部CT研究会で講師をさせていただきました。開催していただいた方から大成功とお言葉をもらって一安心してます。
第2回も開催予定ですのでどこかでお知らせを出せたらいいなと思います。
今回のテーマは「肺紋理」についてです。
胸部レントゲンを見ているとどこを見ればいいのか迷いますよね?
肺も大きいし、眼の付け所がわからないというか。さらには陰影評価するのにも困ります。そんな場面では肺紋理を知っていると見るターゲットを絞って評価できるようになりますのでぜひ、使ってみてください。
そもそも、肺紋理って?
以前、「肺野の白い陰影はなんですか?」ということを記事にしました。答えは「肺動脈・肺静脈」でした。理屈は参考記事を読んでいただきたいのですが、肺血管の走行を「肺紋理」といいます。
参考記事 [新人必見][肺シリーズ2]胸部レントゲン、胸部CT、肺疾患を読影するならまず、解剖を知るべきだ!
CT画像をMIP処理したものですが、画像から見てもわかるように肺血管は中心から外側へ扇状に進んでいるのがわかります。また、中心の太さは外側に向かえば向かうほど細くなっていきます。
では、この3枚のMIP画像を透過して重ねていきます!
単純胸部レントゲンと比較のために並べてみましたが、どうでしょうか?ほぼ一緒ですよね?あとはどのようにして肺動脈が走行しているのか、どのようにして肺静脈が走行しているのかを知れば使えるレベルまであげることが出来るとおもいます。
肺動脈の走行
自分は肺動脈を「右3.3.3 左3.3.4」とおぼえています。その線を先ほど重ねあわせた画像に書こうと思います。
肺静脈の走行
次に肺静脈は「右4 左4」で肺門部の肺動脈より下に流入する走行と考えています。
肺紋理の全体走行イメージ
全部重ねてみるとこんな走行を大体頭にイメージして読影に望んでます。
読影時にこれのイメージがあるとすごく便利で肺動静脈なのか血管断面なのか走行がちゃんと細くなっているか?と考えていけば結節影、小さい腫瘤影なども見落としにくくなると思います。今回は胸部単純レントゲンなので肺動脈か肺静脈か?なんて気にしなくて大丈夫ですが、CTになると肺動脈、肺静脈の同定は必要になってきます。
単純CT検査の時にどうやって肺動静脈を同定するか?
これは実は当ブログでお馴染みの小葉構造イラストを覚えている人はすぐに出来ると思います。
イラストからもわかるように肺動脈は気管支と並走しています。
なのでCT上でも気管支と並走していれば、肺動脈。
並走していないければ肺静脈となります。
肺動静脈の同定はなんで必要か?
これは「肺がん」を分類するのにとても使えるますし、「悪性」と判別するのにも使えます。イラストと画像ですり合わせながら解説していきます。
まずは扁平上皮癌
空洞形成をすることで中で低酸素状態だった壊死細胞を排出して逆に空気を取り込む道を作ることで発達スピードを増やす素晴らしいメカニズムをもった癌です。これについては今度記事にしたいと思います。扁平上皮癌に刺さるように「肺静脈」が走行している場合には、小葉構造をまたいで発達していることを示し悪性が伺えると思います。同じように「肺動脈」も刺さるように走行しており、細気管支が空洞まで続いていることが観察できれば画像としてはベストかなって思います。
次に大細胞癌
この肺がんは周りを浸潤しながら発達するよりも圧迫しながら発達していくので肺動静脈が押されていることが伺えると思います。
高分化腺癌
スピキュラが特徴でGGOからだんだん高輝度になってくると血管を巻き込むように発達していきます。
最後に低分化腺癌
分葉状の腫瘤影が特徴で分葉のくぼみの部分をノッチ(Notch)といいます。Notch部分に突っ込むように血管走行があるのも特徴です。これは自分のイメージですが、発育していく中で血管の刺さる部分と刺さらない部分で発達スピードが変わるから血管が突っ込んでいる部分はNotchになるのかなと思っています。(血管が抵抗になって周りより発達スピードが遅い?)誰か違ってたら教えてください。
今回は、「肺紋理(肺動静脈の走行)」をテーマに記事にしました。案外、CTでは使えることがあるのでぜひぜひ、ご活用ください!
ではー!
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