こんにちは。@ラジグラです。
年末になるとどうしても忘年会とかで忙しくなりますよね。みなさん、どうです?上司や先輩に連れられて飲み歩いてますか?
今回のテーマは肺から離れて「頭部CT」にいこうと思います。頭部CT検査は本当に簡便で脳出血を見つけることが出来るのですが、脳梗塞は厳しい(わかりずらい)のが現状ですね。
また、日本のCTの設置台数が2011年で「12,943台」あり、世界トップクラス(1位かも)の保有国です。対するMRIの設置台数は2011年で「5,990台」と約半分しかありません。
つまり、脳梗塞疑いだけど、MRIが撮れないという施設が出てきますし、急性期脳梗塞をCT検査で見極めることが必然と要求されてきます。
CT検査で脳梗塞を見極めるには、解剖が重要になってきます。
参考URL CTスキャナ保有台数 国別ランキング統計・推移
参考URL MRI装置保有台数 国別ランキング統計・推移
11個の解剖をしっかり理解しよう
私が新人技師の教育の時には脳梗塞を理解する上で11個の解剖を始めに教えます。
これが理解できるだけで全然見え方が変わってくるそうです。(新人技師談)
- 灰白質
- 白質
- 大脳基底核
- 被殻
- 尾状核
- 淡蒼球
- 視床下核
- 黒質
- 島皮質
- 内包
- 外包
そして、セットで名称が変わるものも列挙します。
- 線条体(被殻と尾状核)
- レンズ核(被殻と淡蒼球)
灰白質(皮質)と白質(髄質)について
まず、MRI検査でT2画像の時の灰白質と白質の信号(濃度)を想像してください。簡単ですよね?白か黒って話なんですが。
画像からもわかるように
- 灰白質 → 白
- 白質 → 黒
です。これは当たり前の話ですが、これがCTでもちゃんと反映されているのも当たり前の話だと思います。なんとなくコントラストがついていますよね?
CT値でいうと灰白質が「約45HU」、白質が「約35HU」です。つまり、このコントラストを出す「約10HU」が重要になります。
でも、なんでCT値が違うの?というところまで深く掘り下げると理解しやすくなります。
灰白質を構成しているのは「神経細胞」で、白質を構成するのが「神経線維」となります。また、灰白質の「神経細胞」は細胞なので核(細胞核)を持っています。「神経線維」は核(細胞核)がありません。また、核(細胞核)には微妙に水があるためにMRI検査のT2画像で白くなるわけです。
重要なので2回同じことをいうことになりますが、核(細胞核)と神経線維という違う構成物質によってCT検査でもMRI検査でもコントラストをつけるわけです。
ちなみに脊髄では灰白質が中心、白質が外側に反転していることもついでに覚えましょう。
それと腎臓の皮質と髄質にコントラストが付かないのはともに腎細胞で核を持っているからコントラストが付かないわけです。
大脳基底核はどうなのか?
先ほど列挙した大脳基底核はどうなのか?これも全部「神経細胞」から構成されています。つまり、核(細胞核)があるということになります。
つまり、核があるということは灰白質と同様な信号(濃度)にCTでもMRIでも描出されることになります。
そして、解剖位置を確認しましょう。
また、AX画像とCO画像で見てみます。
もう一個下のスライスになります。黒質はちょっと見えづらいのですが、一応マーキングしてみました。
次に内包と外方の解剖もまとめてみました。内包、外包は神経線維で構成されているので白質と同じ信号(濃度)になります。また、MRI画像の内包(後脚)がいい写真がなくてすいません。
灰白質(皮質)の中でも重要な島皮質も忘れないで!島皮質は灰白質の一部なので灰白質と同じ信号(濃度)になります。
これで大脳基底核の様々なコントラストがなにを意味しているかわかったと思います。
今回は解剖だけですけど、次回はこれを使っての脳梗塞を見極める読影について記事にしたいと思います。
参考記事 CTで脳梗塞を見つける優れた「Early CT Sign」を使い倒そう!読影方法付き!
最後にまとめると
- 灰白質 → 核(細胞核)あり
- 島皮質 → 核(細胞核)あり
- 大脳基底核
- 被殻→ 核(細胞核)あり
- 尾状核→ 核(細胞核)あり
- 淡蒼球→ 核(細胞核)あり
- 視床下核→ 核(細胞核)あり
- 黒質→ 核(細胞核)あり
- 白質 → 核(細胞核)なし
- 内包 → 核(細胞核)なし
- 外包 → 核(細胞核)なし
では、また!
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カテゴリ: メディカル
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