
なんかETL使って時短してるけど、画像が納得いかないんだけど!



おっ!いいとこ攻めてるじゃん!



なんかコントラストが悪すぎ!ってかなんとかして!



常にトレードオフだからねーちょっと時短&ちょっと画質低下で行こっか!
ETLを極端に増やすとコントラストが低下する
ETLを増やすことでエコースペーシングが短縮するので、撮像時間を短縮する効果が見込めます。なので緊急の飛び込み検査が入ったときには使ってしまったり、頚椎撮像で脳脊髄液からのフローアーチファクトを抑えるためによく使われます。しかし、ETLを増加させることでコントラスト低下が起きます。なぜ、コントラストが低下してしまうか?特にT2強調画像の場合は、k空間に詰める信号がはじめのほうはT2値の短い信号がものになり、これがコントラスト低下の原因になります。
以前の記事でFSE法の実効TEについて以下の式の話をしました。
下の図では「sequential」(linear)で埋めて、ETL 5のFSE法で考えるとエコースペーシングは約33msecとなる。
エコースペーシング = 実効TE / k空間の中心を埋めたエコーの本数 = 100 / 3 = 33msec


今度はETLを3にすると以下のようになり、エコースペーシングは50msecとなる(図が雑で申し訳ない!)


上で説明したETLが増加した場合、T2値の短いものが入ってしまうということが少しわかっていただけたと思う。
ダミーパルスでいいとこ取りだ!


今度はETLが3を基本にしていきます(上図)。エコースペーシングが長いので先述したフローアーチファクトが出てしまう可能性があります。アーチファクト低減のためにETLを増やしたいが、コントラスト低下を招くのでダミーパルスを使うと美味しい部分がともに取れる。
下の図のようにETLを3のままでダミーパルスを1個、先頭に入れるのである。ダミーパルスのエコーはk空間に詰めないということを覚えておけば問題ないです!


このようにダミーパルスを入れることでT2値の短い信号をk空間に使わない方法があります。そうすると図のようにエコースペースを変えない(33msec)ということになります。つまり、シャッタースピードが早く、T2値の低い信号は使わないのでコントラストの低下を低減できるということになります。上の図の場合だと、k空間に詰めるエコーは3個なので時間の短縮効果はないということになります。しかし、ETLとエコースペーシングを調整すれば若干の時間短縮とコントラスト低下の低減の両立することは可能ということになります。
ダミーパルスのまとめ
ダミーパルスのまとめ
- ETL増加によるコントラスト低下の原因は短いT2値の信号を使うため
- コントラスト低減を避けるにはETLの減少させると改善される
- ETLを少なくさせるとエコースペーシングが広がり、アーチファクトの出現に影響を与える
- ダミーパルスを使用することでエコースペーシングをコントロールすることができる
- ダミーパルスを使用することでT2値の短い信号を使わないため、コントラスト低下を低減できる



ダミーパルス!すごいねーこれ使いこなすとMRI検査してるぞって感じするね



考えた人すごいよっ!本当に



でも、CS(圧縮センシング)便利だけどねw



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