こんにちは。@ラジグラです。脳出血などは後遺症が残る疾患であり、最悪の場合、命を落としてしまう疾患です。そのためには画像診断が重要になり、その一番最初に画像を見る私達が自分たちができることを適切、対処をしなくてはいけないと考えています。そのためには、しっかり知識をもっておくということは大切だと思います。
そのため、以前から「脳梗塞」や「脳出血」をまとめるために、基礎解剖からやっていき、CTの「early CT sign」を解説、そして、「脳梗塞」シリーズを4弾ばかりやり、脳梗塞のCT、MRIの経時的変化について、脳出血やクモ膜下出血のCT、MRIの経時的変化について、「硬膜外血腫」と「硬膜下血腫」をセットでやりました。数えたら、全部で10記事にものぼりました。結構やりましたね。。。経時的変化の覚え方は「MAGNETOM研究会」や「診療放射線技師会(東京都)」や「日本放射線技術学会(東京支部)」でも使っていただきました。本当に使ってくださった方々、ありがとうございます。
ここまでくるとあとは「脳出血(ICH)」と「クモ膜下出血(SAH)」もやらないと終われない!がんばっていきましょう!今回のテーマは「脳出血」をターゲットにやっていきます!
参考記事 [新人必見]CT、MRIで脳梗塞を見つけるための重要な解剖を知ろう!
参考記事 CTで脳梗塞を見つける優れた「Early CT Sign」を使い倒そう!読影方法付き!
参考記事 所見からせまる急性硬膜外血腫(EDH)の読影ポイント
参考記事 硬膜外血腫とセットにして理解しよう!奥が深い硬膜下血腫(SDH)!
参考記事 [脳梗塞第1弾]もっと頭部に強くなろう!脳梗塞を基礎から覚えよう!
参考記事 [脳梗塞第2弾]心原性塞栓症(脳梗塞)の特徴と発生機序を掴む!
参考記事 [脳梗塞第3弾]アテローム血栓性脳梗塞のポイントは?
参考記事 [脳梗塞第4弾]ラクナ梗塞と分枝粥腫型梗塞(BAD)を極める!
参考記事 [新人必見]簡単に脳梗塞(CTとMRI)の診断に役に立つ経時的変化を覚える方法
参考記事 [新人必見]簡単に脳出血(SAH等)の経時的変化(CTとMRI)を覚える方法
脳出血とは?原因から考えていくと
脳出血が原因で、年間3万人の方が亡くなっています。原因は、「高血圧」「動脈硬化(コレステロール)」などが言われています。症状は「FAST」と呼ばれているものに注意することが重要と言われていますが、症状が多様化しているのでそれだけでは判別できません。そのために、画像診断が役に立ちます。一応、FASTについては以下の通りです。
- Face(顔)
- Arm(腕)
- Speech(言葉)
- Time(突然)
分類からやっていきましょう。脳出血は前述したように「高血圧」が主な原因になるために分類でも「高血圧性脳出血」と「非高血圧性脳出血」に分けられています。今回は、「高血圧性脳出血」を中心にやっていきましょう。脳血圧性脳出血は以下のものが挙げられます。
- 被殻出血
- 視床出血
- 脳幹(橋)出血
- 皮質下出血
- 小脳(歯状核)出血
- 尾状核出血
部位については以下の記事を読んでいただけるとつながってきますよ!
参考記事 [新人必見]CT、MRIで脳梗塞を見つけるための重要な解剖を知ろう!
逆に「非高血圧性脳出血」は以下の通りです。
- 小脳出血(歯状核以外)
- 脳幹出血(橋以外)
- もやもや病
- 硬膜動静脈瘻
- 脳動静脈奇形
- 静脈洞血栓症
- アミロイドアンギオパチー
- その他(脳腫瘍、出血性梗塞)
検査中に脳出血に出会ったら?
脳出血疑いで救急版されるとほとんどCTかMRIに緊急検査がきます。ここで慌てないで対応しなくてはいけません。「くも膜下出血」や「心筋梗塞」の場合は、発症してすぐに死亡する可能性がありますが、「脳出血」の場合だとすぐに死亡とはなりにくい疾患です。そのため、迅速対応することで救命できる可能性が増えてきます。「脳出血」と「くも膜下出血」違いをイラストにしました。
CT検査で高吸収領域を見つけたら?
高吸収だからすぐに出血と繋げないで鑑別していきましょう。自分はまずCT値を見ますね。理由は95HU以上の場合は、出血ではなく石灰化になります。理由は以下の記事に書いてあります。
参考記事 [新人必見]簡単に脳出血(SAH等)の経時的変化(CTとMRI)を覚える方法
参考記事 所見からせまる急性硬膜外血腫(EDH)の読影ポイント
石灰化の好発部位は以下の部分によく見られます。左右両方にあれば、異常ではない生理的な石灰化なのかなと判断しています。
- 小脳歯状核
- 大脳基底核(特に淡蒼球)
- 大脳鎌
- 松果体
- 脈絡叢
MRI検査で脳出血を疑う所見を見つけたら?
これも以前の記事で説明はしました。「逆の」の字ですね。かんたんに覚えられるので難しい表を暗記しなくても大丈夫です!脳出血の場合、MRI検査だと血腫部分は信号強度は経時的に変化しますので、急性期などを考えましょう!
参考記事 [新人必見]簡単に脳出血(SAH等)の経時的変化(CTとMRI)を覚える方法
脳出血ということはわかった!その次は?
出血だから読影補助おしまいだともったいないので、以下の点を伝えることといいですよ!
- 部位
- サイズ
- 脳室穿破の有無
- 水頭症の有無
- 脳ヘルニアの有無
順番に理由を書いていきますね。
まず、部位については理由は、脳幹出血や視床出血は、手術の適応外になりますので、対応方法が変わってきます。、サイズについては出血量を推測するのに使います。直径が2.5cm以下なら出血量は10ml未満になりますので、手術適応外となります。その他に逆に適応となるのが4cm以上(出血量31ml以上)となります。
脳室穿破(側脳室、第3脳室、第4脳室に出血の有無)についてですが、尾状核出血や視床出血は特に脳室穿破が多いです。他には、被殻出血や小脳出血、脳幹出血があります。部位と一緒に伝えることが重要です。水頭症の有無については、脳室ドレナージという処置が必要になる可能性があるために、必要情報になります。脳ヘルニアについては、切迫脳ヘルニアだと緊急減圧という処置をする可能性があるために、必要な情報になります。ここで脳ヘルニアの種類を記事にしていなかったことに気付いたので、今度記事にしますね。
脳出血があった場合は!?まとめ
記事が長くなってしまったので、まとめてみました。脳出血があった場合は、迅速な行動と確実なことをしっかり医師に伝えるということが大事になります。
- 高血圧性脳出血なのか、非高血圧性脳出血なのか
- CTなら、CT値を測定して、95HU異常なら石灰化を考える
- CTやMRIでは、脳出血は経時的変化をするので注意!
- 病期を判断する
- 出血部位を判断する
- サイズを測定する
- 脳室穿破の有無
- 水頭症の有無
- 脳ヘルニアの有無
[rank2]
[rank3]