こんにちは。@ラジグラです。前回から脳梗塞をちょっとずつ書き溜めいています。
参考URL もっと頭部に強くなろう!脳梗塞を基礎から覚えよう!
今回のテーマは前回の発生機序から考えやすい「心原性塞栓症」をやっていきたいと思います。
心原性塞栓症の発生機序について
これは前回も記事にしましたが、おさらいしていきます。
心臓の左心耳に血栓ができ、その血栓が脳血管を塞栓することで心原性塞栓症は発症します。血栓の主成分は赤血球になり、塞栓のメカニズムは塞栓性になります。原因は心房細動(AF)が多く割合を占めています。他には洞不全症候群、拡張型心筋症、心房粘液腫、うっ血性心不全、左心室瘤、心房粗動、生体弁、心房細動を伴わない僧帽弁狭窄症、僧帽弁逸脱症等が挙げられます。
雑学にはなりますが、昔心房細動と心房粗動は似た略語でした、心電図(ECG)のf波、F波が由来なのかな…(推測です)
- 心房細動(af=Af)
- 心房粗動(aF=AF)
と紛らわしい表記だったのですが、今は
- 心房細動(AF)
- 心房粗動(AFL)
がわかりやすい表記になりました。また、心房細動(AF)で右脚ブロックのような波形が出て心室性期外収縮(PVC)と間違えることもあるので注意してください。
見分け方はP波がなければ心室性期外収縮(PVC)となります。
心原性塞栓症の特徴
ちょっと話は脱線しましたが、上のイラストからもわかると思いますが、かなり梗塞範囲が大きいということが第一に挙げられます。また、いきなりの塞栓し発症するために側副血行路等を形成する時間もありませんので皮質まで梗塞が出来ます。下のDWIとMRAを見てください。左の中大脳動脈M2の先が塞栓していることがMRAでわかり、DWIでは左中大脳動脈M2領域に一致して梗塞があります。さらに島皮質までDWIは白く描出されているのがわかります。皮質まで梗塞が及んでいる特徴があります。
もう一例出します。今度はMRAより右の中大脳動脈M1から途絶しているのがわかり、DWIはかなり広範囲になっています。
2例目の翌日のCT画像も提示しますね。広範囲な低吸収域があるのがわかり、さらには皮質のspareがありません。
脳梗塞はDWIだけじゃない!
最近はDWIがあるので一目瞭然で心原性塞栓症とかすぐに分かるのですが、実はFLAIRでも超急性期でも描出されることがあります。そのサインをIntra Arterial Signといいます。
今は心原性塞栓症の裏付けのために見つけることは必要だと思います。
もちろんDWIとT2を組み合わせて発症した時期も鑑別できるので合わせて下の記事も読んでくださいね!これがMRIの強みでもあります。
参考記事 [新人必見]ついでだ!簡単に脳梗塞(CTとMRI)の経時的変化を覚えられる方法
今回は簡単な内容にはなりましたが、心原性塞栓症のメカニズムと症例、特徴的な所見のまとめました。
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カテゴリ: メディカル
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