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脳ドックガイドライン(MRA部分のみ)を自分なりに読み解いた

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斬る!脳ドックガイドライン

こんばんわ。
@ラジグラです。

実は最近忙しくてのんびりうちに帰れてないのですが、
ブログで記事書くといろんな方面の方から電話を頂いて
「教育のためにも」とか「これはこうなんじゃないか?」なんてお言葉を頂いて
「勉強になるな!こりゃもっと書いてやれ!」なんて気分になっています。

今日は先日書いた記事から続いて脳ドックガイドラインから斬り込んでいこうかなと思います。
さて、脳ドックガイドライン?なんじゃそりゃとか思いの方に下記のリンクから少し読んでみてください。
2008年の改訂され、これが全てじゃないけど指標としてはいいと思いますね
 参考記事  「脳ドックのガイドラインin 2008

目次

脳ドックの意味

一般の方は「脳ドック」なんて意味ある?なんて声も時々お聞きしますが、脳ドックガイドライン「検査対象」項からは

(抜粋)

  1. 脳ドックの積極的な対象は中・高齢者が望ましい.
  2. 脳卒中の家族歴,高血圧,肥満,喫煙などの危険因子を有するハイリスク群に対して重点的に受診を勧める.
  3. 健保組合や共済組合などの保険者や地方自治体との契約は,脳ドックについての十分な理解を得て行う.

と記載があります。1番目と2番目はこの質問の答えになると思います。さて、3番目は?イマイチわからない。
上記の対象の方はお勧めします。
前回の記事でも書いたのですが、動脈瘤は破裂すると案外怖いですから。。。
 参考記事  どんと来い!しかも、案外珍しいケース!簡単症例1:頭部MRI検査

ついでに
 参考URL  動脈瘤:wiki
代表的なものは下図のように血流の圧により、分岐部が膨れてしまうのを動脈瘤といいます。
動脈瘤の出来方

脳ドックの撮像について

ここからは技師のお話。
今回は頭部MRA検査部分のみで読み解きました。あしからず推奨の抜粋です。

(推奨)

  1. 未破裂脳動脈瘤ならびに頭部の主幹動脈の閉塞・狭窄病変の検出のためには3D-TOF(time of flight)法での撮像を原則とする.最大値投影法(MIP)等を用い,ウイリス輪を中心にして(1)左右方向に角度をかえた画像と(2)前後方向に角度をかえた再構成画像を作成する.立体視が可能な角度で回転させた画像であることが望ましい.(注1,2)
  2. 頸部動脈の狭窄・閉塞の検出には2D-TOF法もしくは3D-TOF法で撮像する.撮像範囲は総頸動脈分岐部を中心に総頸動脈,外頸動脈,内頸動脈が含まれるようにし,左右方向に角度をかえた再構成画像を作成する.
  3. (注1)撮像範囲には撮像時間や全体の画質を勘案の上で椎骨脳底動脈系も可能な範囲を含めることが望ましい.

3D-TOF法が原則!って大体3D-TOF法で撮りますよね?ま、こんな感じでなにも指定がない。。。注釈部分に細かく載ってもいない。。。
一個気になるのは

  1. (注1)撮像範囲には撮像時間や全体の画質を勘案の上で椎骨脳底動脈系も可能な範囲を含めることが望ましい.

椎骨脳底動脈系って?

さて、椎骨脳底動脈系ってなんぞや?という方にはこちら。
脳血管解剖
脳底動脈は当たり前だけど、下のボーダーラインは赤丸印「後下小脳動脈(PICA)」まで
撮像してください。と言っているのだと思います。

動脈瘤好発部位はどこだ?

後下小脳動脈(PICA)まで入れてというのを証明するのかは微妙なラインですが、好発部位を考えると数%だけど、可能性はあるので!上部はどこまでかを考えると前大脳動脈(AC)の前交通動脈(Acom)は撮像範囲に入れます。
出来るならA2の分岐まで入ると問題ないのでしょう。あとは下の好発部位を覚えておけば、MRA画像を見る際に見ると思います。

動脈瘤好発部位の発生頻度ランキング 約100%

  • 内頚動脈(IC)発生頻度40%

  • 内頚動脈の内訳
    内頚動脈後交通動脈分岐部(IC-PC)発生頻度25%

  • 前大脳動脈(ACA)発生頻度30%

  • 前大脳動脈の内訳
    前交通動脈(Acom)発生頻度25%

  • 中大脳動脈
    (MCA)発生頻度20%

  • 脳底動脈(BA)発生頻度7%

  • 脳底動脈の内訳
    椎骨後下小脳動脈分岐部動脈(VA-PICA)発生頻度2%

  • 脳底動脈上小脳動脈分岐部動脈(BA-SCA)発生頻度1%


撮像範囲のまとめ

MRA撮像の際の範囲は、
前大脳動脈(A2-A3)の間から後下小脳動脈(PICA)起始部まで
でいいのではないでしょうか!

どこまでの動脈瘤を発見すればいいのか?

これは大事な部分なので。。。

(抜粋)未破裂脳動脈瘤の頻度に関して人種別の差はいまだ明らかではない.しかしくも膜下出血発症率はフィンランドと日本において他の地域よりも高いとされている.

ほうほう、とりあえず日本はくも膜下出血が多いのか。
つまり、動脈瘤が破裂することが多いと。

(抜粋)未破裂脳動脈瘤の年間破裂率は5年以下の観察で1.2%,5~10年で0.6%,10年以上で1.3%と経過観察年数で破裂率がやや異なり,サイズによっても異なり5 mm以下でも0.5%,5~10 mmで1.2%,10 mm以上で1.5%であった.

破裂率の有意差から考えると、ボーダーラインは5mmですね。

(抜粋)米倉らは5 mm未満の小型未破裂脳動脈瘤を全例(329例・380病変),前向きに観察する
SUAVe研究を行っており,375人・年の経過観察で3人に破裂(0.8%/年 95% CI:0.2~3%),
18病変(4.7%)に2 mm以上の拡大が認められたと報告している.

5mmの動脈瘤を発見しても、約5%は2mm以上拡大をする。すると破裂率も上がる!
2mmの動脈瘤を発見しても、1年で5mmを超えてしまう可能性がある。
つまり、2mm未満の未破裂動脈瘤を探せ!と言ってるのかな?

そうなるとスライス厚は。。。
1.5mmスライス厚だとまだ不安がありそうだ。
そんな訳で1mmがベストですかねー!

スライス厚まとめ

スライス厚は2mm未満の動脈瘤を見つけるために「1mm」がいいかと思います。

あとは撮影時間とかプロトコルと相談してみてルーチンを作ろう!1mmスライス厚だとSNとか大変そう。。。

あくまでこれは自分なりに読み解いたので
各施設でオリジナルにしてください!
よろしくお願いします。
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カテゴリ: メディカル
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