こんにちは。@ラジグラです。
脳梗塞シリーズも4弾やりましたので、今回はちょっと分野を変えて記事にしていこうと思います。MRI検査やCT検査をする際に、両耳側半盲や半盲スクリーニングといった記載がありませんか?この両耳側半盲の原因、発生機序をしっかり理解すると脳の読影にとても役に立ちます。
両耳側半盲の前に、頭部検査の読影について
先日、身近な仲間内の後輩で両耳側半盲の意味ががわからず、そのまま頭部の読影をした際に5cmぐらいの腫瘍を見落とした事例がありました。なぜ、見落としをしてしまったか?頭部の読影は基本的に左右対称の構造物を見ながら異常所見を拾うことが王道になっていると思います。確かに左右比較というのはすごい見落としを少なくする技術なのですが、デメリットを知らないと痛い目にあってしまいます。デメリットは、正中部分に左右対称の腫瘍などがあった場合に左右対称なので気付きにくいことになります。つまり、正常解剖を思い出しながら左右比較をして、特に正中構造については異常構造などがないかを確認しなくてはいけません。
両耳側半盲の前に基礎解剖を!
まず、基礎解剖についてやっていきましょう。これさえ理解してしまえば、もう機序や読影ポイントも必然と見えてきますから!下のイラストは視神経の経路をイラストにしました。右眼の外側で捉えらたスノーマンは右目の内側を通って、視神経に外界の情報を伝えます。この黄線を追っていくと左の後頭葉に情報を伝えます。そのため、スノーマンは左の後頭葉、視覚野にいます。同じように各アイコンを追っていただけると視野の情報がどのように伝達しているかわかると思います。
- 黄:右の外側(スノーマン)は左の視覚野
- 緑:右の内側(靴下)は右の視覚野
- 青:左の内側(ステッキ)は左の視覚野
- 赤:左の外側(プレゼント)は右の視覚野
また、必要な解剖は
- 視神経
- 視交叉(下垂体が近傍にある)
- 視索
- 視放射
になります。視交叉はちょうど下垂体がある部分になります。これもポイントになります。
症状の両耳側半盲の機序を理解しよう
両耳側半盲とは、両目の外側、つまり耳側の視野が見えなくなる症状を示します。つまり、これは視交叉周辺に病変があるかもしれないということなのだ。これをイラストで示すと黒い線に腫瘍があると仮定します。すると視交叉部分の神経が障害を受けてしまうため、両目の外側部分が見えなくなってしまいます。これが両耳側半盲の発生機序になります。つまり、視交叉部分には下垂体があり、下垂体腫瘍、下垂体腺腫などで神経に障害を与えると両耳側半盲になるということです。でも、絶対モノがあるというわけではないです!血管障害とか他の要因だどもありますからね。
半盲の種類はある!同名半盲や一側盲!
察しのいい方はおそらく想像していると思いますが、障害する箇所によっては半盲もしくは全盲の出方が変わってきます。有名なのは同名半盲と一側盲ですね。まず、簡単な部分をイラストにしてみました。頭で考えると見えない側と視神経が混ざってわからなくなってきますよね?自分もそうです。なので、毎回メモ帳とかにこのイラストを書きますよ。
視放射をもっと詳しく理解する!
はじめのイラストは視放射部分を簡単に書きましたが、実は左右に2本ずつではなく4本ずつなのです。なぜかというと視野の上部分(上視野)と下部分(下視野)で2本ずつあるので左右の計4本になります。そのため、四分盲という障害が理解しやすくなります。ということで視放射部分を詳細に書いていくのですが、スノーマンなどのイラストが邪魔になるので消しました。すいません。
随分と更新をおざなりに(もう定番のセリフ。。。ごめんなさい)なりましたが、今回は両耳側半盲という眼の症状から読影に役に立つポイントをまとめてみました。ぜひ、現場でも使ってみてくださいね!
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