こんにちは。@ラジグラです。
GWも終わって、どうもモチベーションがあがらないので、久しぶりに記事を更新してみました。以前に第1弾では脳梗塞の分類の記事をやり、第2弾では心原性塞栓症を記事にしました。今回は第3弾ということで「アテローム血栓性脳梗塞」をテーマにやっていきます。
参考記事 もっと頭部に強くなろう!脳梗塞を基礎から覚えよう!
参考記事 心原性塞栓症(脳梗塞)の特徴と発生機序を掴む!
アテローム血栓性脳梗塞は発生機序が豊富!
もう一度復習を兼ねていきましょう!アテローム血栓性脳梗塞は以前の記事から考えると
- 血栓性
- 塞栓性
- 血行力学的
が挙げられます。つまり、それだけ病態が複雑になるということになります。まずは心原性塞栓症と似ている塞栓性、血栓性をやります。
塞栓性と血栓性のアテローム血栓性脳梗塞のメカニズム
塞栓性のメカニズムは以前の記事を読んでいただければ簡単に理解出来ると思います。血栓性のメカニズムで塞栓性と違う部分は動脈硬化によって出来たプラークの一部が飛んでいくことで塞栓されることです。心原性脳梗塞とはここが変わってきます。そのため、塞栓物の大きさが塞栓性と比較して、小さくなっています。その小さくなった塞栓物により詰まる血管の径は心原性塞栓症と比較して狭い部分になります。つまり、末梢に近い部分になってくるので心原性塞栓症より脳梗塞の範囲が狭くなってきます。
イラストでは左に心原性塞栓症、右にアテローム血栓性脳梗塞を比較用に載せました。MRIのDWI強調画像の比較も載せます。明らかに範囲の違いがわかると思います。
血行力学的のアテローム血栓性脳梗塞
血行力学的な脳梗塞の場合を理解するには、言い方は多岐にわたるが、分水嶺(ぶんすいれい)脳梗塞、境界性脳梗塞、Watershedを理解し、覚えると早いです(3つとも同じ意味)。言葉的にわかりやすいのは境界性脳梗塞だと思います。前大脳動脈(ACA)、中大脳動脈(MCA)、後大脳動脈(PCA)が影響する皮質の境界部分に脳梗塞が起こることをいいます。下にその範囲の提示します。
左側にACA、MCA、PCAの栄養領域をカラーリングしました。右にその境界領域をカラーリングしました。境界領域は、もともと血液が届きにくいところになります。動脈硬化や低血圧、心原性ショック等により還流低下が見られると境界領域はとても虚血になりやすいです。この部分に脳梗塞が発病し、病態的にも合う場合は、血行力学的のアテローム血栓性脳梗塞になります。また、このタイプを皮質(表在)型分水嶺脳梗塞といいます。
また、血行力学的な脳梗塞(分水嶺脳梗塞)の分類は、もう一個あります。中大脳動脈(MCA)の深部部分と皮質部分を栄養する境界領域にできる脳梗塞を深部(内側)型分水嶺脳梗塞といいます。これもエリアをカラーリングしましたので参考にしてください。
では、症例提示をしていきます。
分水嶺脳梗塞の疑いの強い症例
上のDWI強調画像を見ると左の中大脳動脈(MCA)と後大脳動脈(PCA)の境界領域に皮質まで広がる梗塞領域を認めます。この時点でアテローム血栓性脳梗塞の分水嶺脳梗塞を考えます。次にMRA画像を見てみましょう。
左内頚動脈の閉塞、脳底動脈の狭窄、左後大脳動脈の狭窄を認めます。つまり、アテローム血栓性脳梗塞の血栓性の疑いも出てきます。こうなった場合の
ポイントなのですが、画像だけで断定はしにくいということになります。カルテ等で病態なども確認して判断は必要だと思います。還流低下になる低血圧などあれば、血行力学的なアテローム血栓性脳梗塞の可能性がでてきます。MRAで見る限り側副血行路はありません。このようにいろいろ確認する部分がありますので次の項でまとめてみましょう!
アテローム血栓性脳梗塞のまとめ
では、まとめていきます。
- 塞栓性、血栓性、血行力学的の3つに分類される
- 血行力学的な脳梗塞を分水嶺脳梗塞という
- 血行力学的の中でも皮質型分水嶺脳梗塞と深部型分水嶺脳梗塞に分類される
- 分水嶺脳梗塞の疑う症状は、低血圧等の還流低下
- MRAでプラークによる狭窄部分があるか?
- MRAで側副血行路が確認できるか?
- ここから下は自分が注意してみている部分になります
- 分水嶺脳梗塞を強く疑う場合、man-in-a-barrel症候群を認めるか?(両眼失明 or 四肢近位脱力 or 意識障害があり、顔面や手足に障害がない場合)
- 皮質部分にSpareがみられるか?(皮質部分まで脳梗塞を認めるか?)
記事のまとめと自分が見ているポイントを箇条書きにしました。脳梗塞もあとは「ラクナ脳梗塞」をやれば、ほぼ終わりですね!がんばってまとめますね!
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