@ラジグラです。
昨日で「ITEM2013」が終わりましたね!
みなさん、行けましたか?
新たしい技術、機器、論文など様々なことが吸収できる場です。
楽しんでこれましたか?
今回のテーマは「RCCとAML」になります。
腎血管筋脂肪腫の超音波画像
超音波検査にて「腎血管筋脂肪腫」ということでCT精査にまわった患者です。
これしか提供された画像がないと案外、情報量は少ないですよね。。。
ドプラーも欲しいですし、被膜様構造があるのかないのか。
なので、超音波検査はやっている人でないとわからない場合があります。
略語:AML(腎血管筋脂肪腫)
略語:RCC(腎細胞がん)
AML:腎血管筋脂肪腫について
AMLは、血管、平滑筋、脂肪が混合している過誤腫です。
超音波検査では
- エコーレベルの高い腫瘤像として描出される。
- 類円形を示す場合が多い。
- 周りにエコー帯がない。
- 後方エコーが出来ることがある。
- 出血している段階だと内部エコーが不均一になる。
といった特徴があります。
ぱっと見ると周りの脂肪組織よりも低い感じがして、AMLならもう少し白いだろうと私は思いました。
ダイナミックCTの提示
腎臓ダイナミックCT検査を施行。早期相で中心は染まっているけど、遅延相でWash Out(洗い出し)されている。早期相の染まりが悪い感じとの印象ですね。
RCCダイナミックCTの濃染パターン
RCCのダイナミック造影パターン
- 単純CT:腎実質と等濃度かやや低濃度。
- 造影(早期相):腎皮質と同じ造影効果
- 造影(遅延相):腫瘤内の洗い出し
しかし、RCCは様々な組織型があり、上記の造影(早期相)では注意が必要。
- 淡明細胞型(一番割合が多い):不均一な濃染するピークを形成
- 嫌色素型:均一な中等度のピークを形成
- 乳頭型:漸増するパターン、比較的均一
AMLダイナミックCTの濃染パターン
RCCと比較にAMLのダイナミックCTの濃染パターンを挙げてみました。
- 単純CT:骨格筋と同等の等吸収
- 造影(早期):腎皮質と同じような造影効果はないが造影効果はある
内部に結節状の造影効果を認める - 造影(遅延相):腫瘤内の洗い出し
な、なに!悩む。。。これは悩む。。。内部に結節状の造影効果を認める!
中心壊死とか嚢胞性があれば、RCCかオンコサイトーマでも悩んだろう。。。
RCC susp.濃厚でMRI検査に持ち越しかな、なんて思ってたのですが、
放射線科医によれば、「腎細胞がん」で決まりだそうです。
略語:susp.(疑い)
超音波検査でのRCCとAMLの鑑別
蛇足ではありますが、超音波検査のRCCとAMLの鑑別点は以下の通り。
- RCCは不均一、AMLは均一
- 収縮期最高血流速度はAMLでは20cm/s未満
RCCは20cm/s以上となる場合が多い。 - RCCの方がエコーレベルは低い。
- カラードプラ法でRCCはhypervascular
AMLではhypovascular
参考URL NCCNガイドライン:腎がん 治療ガイドライン
平成25年4月19日追記
コメントから思い出したのでTNM分類追記しました。
T:原発腫瘍
- TX:原発腫瘍の評価が不可能
- T0:原発腫瘍を認めない
- T1:腫瘍の最大径が7cm以下で、腎に限局している
- T1a:腫瘍の最大径が4cm以下で、腎に限局している
- T1b:腫瘍の最大径が4cmを超えるが7cm以下で、腎に限局している
- T2:腫瘍の最大径が7cmを超え、腎に限局している
- T3: 腫瘍が主静脈に進展しているか、または副腎または腎周囲組織に浸潤しているがジェロタ筋膜の外側には浸潤していない
- T3a: 腫瘍が副腎または腎周囲および/または腎洞脂肪に直接浸潤しているがジェロタ筋膜の外側には浸潤していない
- T3b:腫瘍が腎静脈または分節の(すなわち、筋肉を含む)枝、もしくは横隔膜下の大静脈に大きく進展している
- T3c:腫瘍が横隔膜上の大静脈に大きく進展している もしくは大静脈壁に浸潤している
- T4:腫瘍がジェロタ筋膜を越えて外側に浸潤している
N:所属リンパ節
- NX:所属リンパ節の評価が不可能
- N0:所属リンパ節に転移を認めない
- N1:ひとつの所属リンパ節に転移がある
- N2:複数の所属リンパ節に転移がある
M:遠隔転移
- MX:遠隔転移の評価が不可能
- M0:遠隔転移を認めない
- M1:遠隔転移あり
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