こんにちは。@ラジグラです。
かなり久しぶりの更新になってすいません。
島根でやった放射線技師会主催の学術大会口演や
勉強会の講師なんやで忙しくておざなり状態でした。
診療放射線技師になると胸部レントゲンを一番初めに習うと思います。
撮影手技は置いておきますが、
よく見るレントゲン写真なのに読影出来ない若手技師が多いような感じがします
(自分がむちゃくちゃ読影能力があるって話ではないっす、至って普通です…)
ただ肺野に白い影があるからとかそのくらいのレベル!
というわけで
胸部レントゲンや肺CTで肺疾患を読むシリーズをやろうかと思います。
胸部レントゲンなんかよりCTな時代だから!って後輩に言われたけど、
CTにも弱いところがありますので全てCTがいいってわけでもないんですよ!
CTの弱いところ
- 過膨張など容量がわかりにくい
- 横隔膜の形状、位置がわかりにくい
などありますよ!
まずは、基本の肺野区域について!
おいおい、読影じゃない!ってこれも後輩に言われましたけど、これも重要ですから。
好発区域だったり、病名鑑別の参考になったりと馬鹿に出来ないんですよ!!
胸部レントゲンにおける区域
- 上肺野
- 鎖骨から第2前方肋骨まで
- 中肺野
- 第2前方肋骨から第4前方肋骨まで
- 下肺野
- 第4肋骨より下の部分
シルエットサイン
胸部CTにおける肺区域なんて思ったのですが、
学校とかで区域体操とか覚えるらしく手旗信号みたいな感じで後輩がやってくれました。
(けど、最後までは出来ない…オイ!!)
シルエットサインと合わせると覚えやすいのでさらっといきますよ!
で、シルエットサインってなに?って聞くと案外難しい。。。
水濃度と水濃度の陰影が相接して存在すると,その境界のコントラストが失われて不鮮明になることをシルエット・サインという。 (教科書抜粋)
これが話してもピンと来ない!!
「百聞は一見に如かず」といいますから下の動画を見てください。
出来る後輩と作ってしまいました!
動画の解説をすると前方にオレンジジュースのゼリーがあります。横には空気があります。後方にはオレンジジュースがあります。
この段階では空気とオレンジジュースのゼリーの境界線ははっきり見えており、後方とのオレンジジュースとの境界線もはっきりわかります。このように境界線がはっきりわかる状態をシルエットサイン陰性といいます。しかし、後方のオレンジジュースをオレンジジュースのゼリーの横に流し込むとオレンジジュースのゼリーとオレンジジュースの境界線はほとんどわからなくなります。これをシルエットサイン陽性といいます。
なんとなくわかりましたよね?隣接したら、境界線が不鮮明になりましたよね?
シルエットサインで考えられる4つのパターンは以下のようになります。
胸部レントゲンでみるシルエットサインと肺区域
シルエットサインはどこを見るのか?
左の胸部レントゲンをイラスト化して隣接している肺区域をマークしました。
つまり、ここに隣接しているシルエットサインが陽性(境界が見えない)ならその肺区域になにか病気があるということになります。
でも、胸部レントゲンでみる肺野とSでみる肺区域が混同しやすいので注意してください。
注意点として右は、上、中、下葉とありますが、左は上(右で言うと上と中)、下葉しかありません。また、右はS1、S2で左はS1+2となっています。
- 上葉
- S1、S2、S3
- 中葉
- S4、S5
- 下葉
- S6、S7、S8、S9、S10
では、胸部レントゲンでみるシルエットサインは以下のようになります。
- 右第1弓(右:S3)
- 右第2弓(右:S4、S5)
- 右横隔膜(右:S8)
- 左第1弓(左:S1+2)
- 左第2弓(左:S3)
- 左第3弓(左:S3)
- 左第4弓(左:S4、S5)
- 左横隔膜(左:S8)
- 下行大動脈中部(左:S6)
- 下行大動脈下部(左:S10)
- 右・左気管
- 左・右肋横角
- A-P Window(左肺動脈と左第2弓辺り)
これだけシルエットサインと肺区域をあわえて覚えれば、ほぼ肺区域は問題ないっす!
まとめの問題:シルエットサインと肺区域
画像の下にすぐ答えがあるのでスクロール注意してください!
(問題)
以下の胸部レントゲンにおける異常所見をいいなさい。
(解答)
左第1弓のシルエットサインが陽性であり、左S1+2領域に浸潤影を認める。
肺CTにおける肺区域
といった感じで今回はここまで!!
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