こんにちは。@ラジグラです。最近、Facebookでローゼンバーグ撮影法の話があったので、コメントをしたところタイトルの件で盛り上がった(?)ので、記事にしてみました。ローゼンバーグ撮影法と顆間窩撮影法(ホルムラッド法)はとても似ているのですが、わかりやすくCTのレイサム(Raysum)を使って解説していこうと思います。本当に微妙な差ですが、よく画像をみると違いがわかりますし、機能的解剖を知ることで撮り分ける大切さがわかると思います。
ローゼンバーグ撮影法と顆間窩撮影法(ホルムラッド法)の撮影方法
まずは、それぞれの撮影法の角度などをイラストにしてみました。本当に微妙に角度が変わっていますよね!イラストを作っている時だんだんとわからなくなってきました(笑
ローゼンバーグ撮影法では、大腿骨の角度は脛骨に対して45度になり、対して顆間窩撮影法(ホルムラッド法)はカセッテ面に対して55度となっています。そして、顆間窩撮影法(ホルムラッド法)は脛骨をカセッテ面より10度屈曲(傾斜)させます。
仮にローゼンバーグ撮影法で脛骨をカセッテ面より10度屈曲(傾斜)させた場合、大腿骨は35度屈曲(傾斜)という換算になると思います。ということは、ローゼンバーグ撮影法と顆間窩撮影法(ホルムラッド法)の屈曲角度差は20度ぐらいはあるということになります。もちろん、ローゼンバーグ撮影法は脛骨の角度によって変わりますので、上述した仮定値としてですが!さて、この20度を角度計なしの目測で測ることは結構難しいということはおのずとわかると思います。
ローゼンバーグ撮影法と顆間窩撮影法(ホルムラッド法)をCTで再構築する
一般レントゲン写真があればいいなとは思ったのですが、正確な角度を出すことが難しいと考えたため、CT検査のデータを再構成してレントゲン画像のように見えるレイサム(Raysum)を使ってみました。
なにが言いたいかというと20度で顆間窩撮影のほうが顆間窩が広く描出されているのがわかると思います。依頼内容がローゼンバーグ撮影法で写真が顆間窩撮影(ホルムラッド法)みたいになっていると角度が良くないと言いたくなるのがわかりますよね!
あと重要なことは、荷重の仕方ですね。ローゼンバーグ撮影法では、患者さんをリラックスした状態で膝に荷重をかけてもらえばうまくいくと思いますよ!なにせ、荷重も重要ですからね。
ローゼンバーグ撮影法は関節間隙の変化を見る!
ローゼンバーグ撮影法は以下の点に注意してみることが重要と思います。
- 関節裂隙の狭小化
- 骨棘形成
- 骨硬化像
関節裂隙の評価は「Kellgren-Lawrence分類」がよく使わています。これは覚えるほかないですかね。。
グレード0:正常
グレードⅠ:疑わしいわずかな骨棘
グレードⅡ:明確な骨棘、関節裂隙の狭小化(25%以下)の可能性
グレードⅢ:中程度の骨棘、関節裂隙の狭小化(50〜75%以下)が明確、硬化像中程度、
グレードⅣ:著明な骨棘、関節裂隙の狭小化(75%以上)が中程度、硬化像著明、関節輪郭の変形明確
ローゼンバーグ撮影法の角度で誤差が発生する!
どの施設でも1番の「関節裂隙の狭小化」を特に気を使っていると思います。そして、膝を曲げて内顆、外顆が一番近いところを見るんだ!と思いながら撮影してますよね?でも、普通に考えると大腿骨の内顆外顆は後方に伸びているので、角度をかけたほうが近くなるのでは?と思いませんか?
しかし、これが先程から書いている角度と残存軟骨がポイントになり、それが狭小化の誤差を発生させる可能性があるということです。では、イラストで解説していきますね。
左に立位の状態の3Dの大腿骨を準備しました。右に行けば行くほど大腿骨の軸線を基準に角度のきつい撮影法になります。大腿骨の後方に残存軟骨があるとしましょう。ローゼンバーグ撮影法より顆間窩撮影法(ホルムラッド法)のほうが、残存軟骨が脛骨面と仮定する線より下に行くのがわかると思います。これは何を示すのか?
関節裂隙に残存軟骨が入り込んでしまって、狭小化を狭小化でないとさせてしまうことがあります。せっかく関節面が一番近いところで撮影したと思っていても、残存軟骨で誤差が生じては意味が薄くなってしまいます。
ということで、今回のテーマである「ローゼンバーグ撮影法と顆間窩撮影法(ホルムラッド法)」の違いを説明させていただきました。角度だけでなく、残存軟骨などのこともありますので丁寧に撮影していきましょう!最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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