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硬膜外血腫とセットにして理解しよう!奥が深い硬膜下血腫(SDH)!

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急性硬膜下血腫

こんにちは。@ラジグラです。
先日の記事でやった硬膜外血腫とセットにして覚えて欲しいのが、硬膜下血腫!基礎解剖をこの前やったので、ざっくりとやっていきます。
簡単な症例ではありますが、すこし奥深いところ(鑑別や原因やMRI)までやっていこうと思います。

 参考記事  所見からせまる急性硬膜外血腫(EDH)の読影ポイント

目次

恒例ながら解剖イラスト

前回の記事で硬膜外血腫をしたのでセットにして覚えていきましょう。
硬膜下血腫の解剖イラスト
前回と比較するとわかるように硬膜下に血腫ができています。また、縫合線関係なく血腫は広がっていきます。そのため、大脳の周りを囲むように進展(三日月型)していきます。
ここで「急性硬膜下血腫」と「慢性硬膜下血腫」の造影(CT、MRI)した場合の差を少し解説します。

  • 慢性硬膜下血腫の場合、外膜と被膜に覆われた血腫になりますので、造影をすると外膜が造影(増強)されます。
  • 急性硬膜下血腫の場合、被膜がないので造影をしても増強されません。

出血の原因となるのは「架橋静脈」になります。

特徴的な所見「三日月形」(CT編)

慢性硬膜下血腫 CT画像
イラストから分かるようにテントに沿って進展をしていきますので、大脳を覆うような画像になります。出血している場合、高吸収領域(約50HUから60HU、94HU以下)が見られ、経過しているものは低吸収領域になります。高吸収になる原因は前回の記事でやっていますので、ここでは割愛します。高吸収領域と低吸収領域で液面形成することもあります。また、慢性化した場合、線維化や石灰化を伴う場合があります。今回の症例は低吸収領域になっているので「慢性硬膜下血腫」となります。時に「三日月型」ではなく硬膜外血腫と同じように「凸レンズ型」になる場合もありますが、珍しいと思います。
慢性硬膜下血腫 三日月型

硬膜下血腫の原因は?

これがはっきりとわかっていない部分もあるのですが、リスト化してみました。

  • 頭部外傷
  • 脳萎縮で硬膜下水腫からの血性に変化したもの
  • 硬膜動静脈瘻(MRAが活躍)
  • 脳脊髄液減少症

年配だとぶつけたこと覚えていないとかもあるので一概に外傷と言えないので原因究明するには骨が折れますね。また、慢性硬膜下血腫の治療して脳脊髄液減少症が悪化する場合もあります。

技師の出来る工夫はもちろん「骨条件」と「対側損傷」

上で挙げたように外傷の可能性もありますし、慢性化して石灰化があるかもしれませんので骨条件は作ってみましょう。また、外傷性の場合は同じことを言うようですが、「対側損傷(contrecoup injury)」がありますので前回の記事の硬膜外血腫と同じように反対側をしっかり確認してください。(*下の画像は今回の症例ではなく硬膜外血腫の症例です)
対側損傷(contrecoup injury)

出血のCT値

他の記事でも説明はしましたが、純100%のヘマトクリット値は理論上のCT値は「94HU」です。しかし、リアルタイムで出血(凝固していない)していない限り、100%ヘマトクリット値はないので出血は「94HU以下」になります。

出血のCT値は94HU以下である

 参考記事  所見からせまる急性硬膜外血腫(EDH)の読影ポイント

今回は頭部MRI画像でも解説

急性硬膜下血腫 三日月型
提示した画像から右の「三日月型」がわかると思います。基本的に出血時期によって血液の変性や内容物を反映するかのように中はステンドグラス様というかモザイク様というか様々な信号強度を持ちます。ざっくりとですが、時期によって変わる強度を書きます。(追記:新しい記事で経時的変化を簡単に覚えられる記事を書きました。参考にしてください)
 参考記事  [新人必見]簡単に脳出血(SAH)の経時的変化(CTとMRI)を覚える方法

  • 超急性期
    • T1:灰白質に似た軽度 Low
    • T2:軽度 High
    • FLAIR:CSFに高信号
  • 急性期
    • T1:軽度 Low
    • T2:軽度 Low
    • FLAIR:CSFに高信号
  • 亜急性
    • T1:High
    • T2:High
    • FLAIR:高信号
  • 慢性的
    • T1:Low
    • T2:Low
    • FLAIR:CSFに高信号

オキシヘモグロビンとかデオキシヘモグロビンの話で覚えられないという方に覚えやすい記事を今度したいと思います。

MRIだといろいろなものが鑑別出来ますのでとても便利!

鑑別診断として挙げられるのは

  • 硬膜下膿胸(発熱など症状が違う)
  • 硬膜外血腫(凸レンズ型)
  • 硬膜下水腫(出血部分はなし)

ということで画像を駆使して読影していきましょう。CTだけでの原因究明や鑑別が難しい時はやはりMRIは便利だなと思いますね

ということで今回はこのへんで!!

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カテゴリ: メディカル
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