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[必見]これが心・肺疾患を見つける私のする胸部レントゲンの読影方法だ![完全保存版]

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完全保存版、胸部レントゲン読影方法

こんばんは。@ラジグラです。
連日、暇で記事を更新しています。そして、書くのに2時間かかった。。。

タイトルはなにか大きなこと言っている感じですが、ただ実際に私がしている読影方法なのでタイトルに引きづられて見に来てくださった方すいません。
今回のテーマは「読影方法」です。ある程度記事もたまったこと、この前の講演で読影方法についてもう一度というお声をいただきましたのでずばっとやっていきたいと思います。

目次

まずは、胸部X線写真の提示

胸部レントゲンの読影方法

私がする読影方法はこれだ!

まず、画像が表示されての第一印象はなんとなく頭に入れておきます。今回の症例に関しては「特になし」。。。
まあ、見て特段とおかしなところ、綺麗汚いというイメージはないということです。(あくまでこれは心に留める部分です)
読影所見を聞かれたら、「綺麗、汚いはあまり使わない」ことです。
 参考記事  肺気腫を知って胸部レントゲンの第一印象を読影に繋げる!

諸条件の情報を収集する

まず、胸部PA撮影で女性ということはすぐにわかると思います。肋軟骨の骨化もあるので年配かな。
次に考えることはちゃんと正しい撮影条件で撮られているか?という点。
画像の白すぎ、黒過ぎはないので、条件は問題ない。
鎖骨の位置
次にX線管球の高さを考えます。第4肋骨の付け根(第4胸椎)に鎖骨の付け根があれば正しいX線管球の高さで撮影できていると考えます。今回の症例は正しくX線が入射されていると思います。
棘突起と気管の関係
そして、気管の外側線(青線)と胸椎の棘突起を結んだ線(赤線)を見ます。赤線が青線に挟まれ中央にあることを確認します。また、肋骨のカーブが左右対称であることも確認し、正面位であることを確認します。今回の症例は若干真ん中ではないけど、ほぼ正面位と思います。
では、諸条件をまとめます。

  • 胸部PA撮影
  • 患者は年配女性
  • X線管球の高さ問題なし
  • 撮影条件に問題なし
  • 画像は正面位である
  • 第一印象は特になし

まだ肺野にはいかない

胸部レントゲンだから「肺」を!なんて思うけど、肺野を読むの苦労して他を読むの忘れちゃうなんてこともあるのでもう他の部分は始めに終わらせてしまいます。皮下に腫瘤影がないか確認します。今回はありません。
次に骨関係を見ていきます(下の右の写真はすこし骨が見やすいように黒化しています)。肩、鎖骨、椎体、最後の肋骨を数を数えながら見ていきます。骨関係は異常なし。そして、数を数えた肋骨に横隔膜がどう交差しているかを確認します。第10後肋骨辺りで横隔膜が交差しているのですこし肺が過膨張しているけど、ギリギリ正常範囲内と読みました。
胸部X線写真の読影方法
 参考記事  [肺シリーズ5]肺野、縦隔と読影してきた!次は横隔膜だ!
 参考記事  慢性閉塞性肺疾患・COPDとは?画像診断から読み解く
横隔膜の高さをみたら、次は横隔膜角(肋骨横隔膜角、costophrenic angle, CP Angle)が鈍化していないか確認。今回は鋭角。大量の胸水があるのか確認。少量の胸水を確認するには毛細管現象を確認します。
 参考記事  少量胸水をしっかり確認できる「毛細管現象」と「CP-A」について
次に横隔膜のアーチに注目。左は綺麗にドーム状になっていますが、右は縦隔側の横隔膜が上がっている。正常ならもう少し下でもいいのかな(理想は緑線)。心臓の真下に脂肪が付いているとこう見える時がありますが、今回の患者の体型はないと考えました。ということはなにか下肺野(特にS5,S6,S10辺り)の容積が減らされて横隔膜が引っ張られ上方へ移動(Shift)しているのかなと考えます。横隔膜のアーチが平坦化していないか確認。
 参考記事  肺気腫を知って胸部レントゲンの第一印象を読影に繋げる!
横隔膜から左右の胸膜下に腫瘤等でっぱりがないことを確認します。今回はありません。
そして、肺門の高さを確認する。肺尖と横隔膜を結んだ線の中央(a = b)に右気管支、それよりも約2cmぐらい上に左気管支の高さを確認します。また、陰影が漢字の「人」のようになって内股構造なら問題なし!ちゃんと気管、気管支が見えているかを確認します。今回は正常範囲内。
胸部X線の読影方法
シフトについては縦隔の記事でヒントを書いていますので参考までに!
 参考記事  [肺シリーズ4]胸部レントゲンで縦隔を見ることも大事!
また、まとめます。

  • 軟部・皮下異常なし
  • 骨、関節、椎体異常なし
  • 横隔膜の高さ正常範囲内
  • CP Angle(肋骨横隔膜角)鈍化なし
  • 右の縦隔側の横隔膜が上方へ移動している
  • 肺の容積を減らすなにかを考える
  • 横隔膜の平坦化なし
  • 胸膜下に腫瘤等はなし
  • 左右の気管支の高さ・陰影は異常なし

心臓と肺紋理(肺動静脈)を見る

まず、心臓の大きさをみます。CTR(心胸比)は50%ぐらいで心拡大なし。滴状心でもない(これも今度の記事に)
そして、肺紋理へ!中心から外側に向かって放射状に広がるのを「右3、右3、右3、左3、左3、左4」で追っていきます。見方は中心から外側へ向かって読みます。その中で太いものから細くなるのは正常。急に太くなっていた場合、途中で追えない場合を異常として考えます。肺静脈の位置は大体で見ています。胸部X線では動静脈の区別はあまり問題視されません。というか区別はほぼ出来ないです。
心胸比と肺紋理
ん!「右の最後の3本の内2本が最後まで追えない」と異常に気付きました。
胸部X線の読影方法
 参考記事  肺紋理を覚えると胸部レントゲンの読影が楽になる!
では、まとめます。

  • 心臓陰影異常なし
  • 右の下肺野・縦隔側の肺紋理が追えない

最後はシルエットサインと肺野の評価だけだ!

これはもう2記事を読んでいる方はざっと見れると思います。右第1-2弓、左第1-4弓、下行大動脈、食道奇静脈線、左傍脊椎線、右傍気管支腺、左鎖骨下動脈線を読んでいきます。
ん!「右第2弓シルエットサイン陽性」に気付きました。
そして、最後に黒い肺野部分を読影していきます。
右から左へ移動しながら読んで、左右の黒さの差がないか、異常陰影(浸潤影、すりガラス影、粒状影、網状影)ないか見ていきます。
肺紋理で気付いた部分に濃度上昇を認め、浸潤影と考えました。
胸部X線の読影方法
最後にまとめます。

  • 右第2弓シルエットサイン陽性、他は異常なし
  • 肺区域は右S5と考える
  • 右下肺野・縦隔側に濃度上昇を認め、浸潤影と考える

 参考記事  [新人必見]さらなるシルエットサインを覚えて死角をなくそう!
 参考記事  [新人必見][肺シリーズ]胸部レントゲン、肺CTで肺区域とシルエットサインを覚えよう!

この読影方法での読影結果は?

まず、異常所見をまとめます。

  • 右の横隔膜・縦隔側のアーチが上がっている
  • 右の下肺野(S5,S6,S10)に肺の容積を減らすなにかがある
  • 右下肺野の肺紋理が追えない
  • 右第2弓シルエットサイン陽性
  • シルエットサインから右S5領域(上で挙げたS6,S10は除外する)
  • 右下肺野・縦隔側に濃度上昇を認め、浸潤影と読む

浸潤影があるから容積が減って横隔膜が上昇する。
浸潤影があるから肺紋理が追えない。
浸潤影が隣接しているからシルエットサインが陽性になる。

ここまでうまく辻褄が合えば、納得できますよね。
最後にCT画像と摺り合わせしましょう!
非結核性抗酸菌症
心臓に隣接する右S5領域に真っ白べったり浸潤影を認めます。胸部レントゲンと同じですね。
 参考記事  [肺シリーズ6][肺炎シリーズ]肺炎を見極めろ!でも、先は長いから、今回は実質性肺炎を理解しよう!

今回はかなり記事が長いので最後まで読んでいただいた方々ありがとうございます。なにかわからないこと、質問はどうぞFBのコメント欄でもメールでも構いませんので聞いて下さい。
そして、何度も記事にない部分が出たことに気付き、早急に記事にしたいと思います。

では!おやすみ!!!

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完全保存版、胸部レントゲン読影方法

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