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CTで脳梗塞を見つける優れた「Early CT Sign」を使い倒そう!読影方法付き!

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脳梗塞を見極めるEarly CT Sign

こんにちは。@ラジグラです。
昨日の記事をここで脳梗塞を見つける読影に繋げたいと思います。しかも、今回は「MELT」「ASIST」から出されている練習問題付き(記事中に問題へのURLがあります)!

 参考記事  [新人必見]CTで脳梗塞を見つけるための重要な解剖を知ろう!

いろいろな文献を読むと「Early CT Signを使うことで3時間以内の31%に検出可能*1」や「Early CT Signを使うことで中大脳動脈閉塞5時間以内の81%に検出可能*2」と言われています。でも、現場では読影するのに結構苦労をしますね。
そして、MRI検査のDWIで簡便に見つけることが出来る時代ですからMRIメインだと思います。でも、前の記事にも書いたようにMRIがない施設がたくさんありますからまだまだ使う場面があると思います。
 参考論文  *1 Patel SC. JAMA 2001;286:2830-2838
 参考論文  *2 von Kummer R. AJNR 1994;15:9-15

目次

脳梗塞ってなに?

これは病態を知るためにも記載します。

「脳梗塞」とは脳動脈がなにかしらの障害により灌流領域に酸素、栄養を運ぶことができなくなり虚血状態になり、その灌流領域の組織が壊死、融解し、空洞化することをいう。

そして、rt-PAの診療ガイドラインからもわかるように4.5時間内に脳梗塞を発見することにより保険適用で治療ができます。さらには転帰良好例が優位に増えることもわかっています。
 参考URL  rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法 適正治療指針 第二版

Early CT Signを覚える

さっそく本題へ!Early CT Signは4項目からなっており、項目自体は覚えやすいです。

  • hyperdense MCA sign
  • レンズ核の輪郭不明瞭化
  • 灰白質-白質境界・島皮質の不明瞭化
  • 脳溝の消失・白質の低信号化

hyperdense MCA sign

これは中大脳動脈(MCA)に血栓が詰まった際に見られる現象で、MCAが高信号になります。注意点は中大脳動脈(MCA)の石灰化とhyperdense MCA signの判別が難しいということです。以前に頭部CT検査をやっていれば、比較読影ができますが、ない場合は画像をよく見て、WidthやLevelを変えて石灰化を判別しましょう。基本的に石灰化のほうが信号が高いです。
hyperdense-mca-sign
ちなみに正常な中大脳動脈(MCA)を以下のように走ります。
中大脳動脈の走行

レンズ核(被殻と淡蒼球)の輪郭不明瞭化

前回の記事で記載したようにレンズ核(被殻と淡蒼球)をもう一度おさらいします。
淡蒼球、視床、尾状核等
さきほど提示した中大脳動脈(MCA)の走行付近にレンズ核(被殻と淡蒼球)があるのがわかります。つまり、中大脳動脈が障害を起こすとレンズ核(被殻と淡蒼球)が虚血を起こし、正常なCT値にはならず、白質と似たCT値になります。そのため、レンズ核の輪郭が不明瞭化します。
レンズ核の不明瞭化
こんな感じで左のレンズ核が右と比べて見えにくくなっているのがわかると思います。

灰白質-白質境界・島皮質の不明瞭化

これも解剖と合わせていきます。中大脳動脈と島皮質の位置関係を見てみましょう。
中大脳動脈(MCA)と島皮質
これもさっきのレンズ核と同様に大脳動脈が障害を起こすと島皮質が虚血になり、正常なCT値ではなくなり、白質とのコントラストが消失します。
島皮質と白質のコントラスト消失
さいごの「脳溝の消失・白質の低信号化」についてはそのままなので今回は説明を省きます!

Early CT Signを使ってどこを見ればいいのか?これが私の読影方法

結局、2回にわたって灰白質をはじめとした解剖やCT値について、コントラストについて記事にしましたが、Early CT Signについては十分わかったと思います。あとはどこに注視して読影していくかだけです。
どんな方法で見ていくかは下記の症例を例にやっていこうと思います。私の読影方法になりますが、基本私は外側から中心に向かってみます。
脳梗塞・症例提示
まず、比較的簡単に見極めることができる「脳溝の消失」を確認します。
脳溝の消失
脳溝の消失
丸印部分に脳溝の消失を認めます。
そして、「灰白質と白質のコントラスト」を確認していきます。
灰白質と白質のコントラスト消失
灰白質・白質のコントラスト消失
2箇所、丸印部分のコントラストが消失しているのを確認しました。
次に白質の低信号化を探していきます。
白質の信号低下
白質の信号低下は認められません。また、空洞化なども特段と見当たりません。(今回はラクナ脳梗塞は抜きで考えましょう)
次に「灰白質大脳基底核の各構造と島皮質」が確認できるか見ていきます。
大脳基底核と島皮質の確認
今回は島皮質の信号低下を認めます。
島皮質の信号低下
最後に画像は提示しませんが「hyperdense MCA sign」を確認します。

というわけで、「hyperdense MCA sign」を抜いても抹消中大脳動脈関連の虚血を確認することができ、さらにはそれが頭頂部に向かってつながっていることもわかりました。
急性期脳梗塞
あまり触れませんでしたが、前大脳動脈(ACA)、後大脳動脈(PCA)についての明確な見方は出していません。しかし、「灰白質と白質のコントラスト」や「脳溝の確認」でACAとPCAの灌流域を見ています。見えづらい中大脳動脈を中心に説明をさせていただきました。

最後にはなったけど、急性期脳梗塞の練習問題

脳梗塞は本当に経験をして目を作るということがとても重要だと私は思っています。せっかくなので練習問題を出している「MELT」「ASIST」を紹介したいと思います。
 参考URL  MELT JAPAN/Early CT sign 判読トレーニング
 参考URL  ASIST JAPAN/CT&DWI初期虚血変化読影トレーニング
2つ合わせて40例あるので本当に勉強になります!

解剖をもう一度という方は以下からどうぞ!
では、今回は写真多めの記事になりました!またー!
 参考記事  [新人必見]CTで脳梗塞を見つけるための重要な解剖を知ろう!

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カテゴリ: メディカル
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脳梗塞を見極めるEarly CT Sign

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