こんにちは。@ラジグラです。
先日、結核症について最近の動向と画像所見についてやりました。今回は鑑別診断やもう少し画像所見について掘り下げていきます。
参考記事 結核症の画像所見がわかる!基礎からやると理解も早い!はず…
症例提示
例えば、左は結核で右はマイコプラズマですが、なにが違うか考えていきましょう!この一枚しか症例提示はしませんが、ともに小葉中心性結節を伺わせる陰影が見られています。2択しかないので50%で当たりますが、解説していきます。
小葉中心性結節について
タイトルにある小葉中心性結節(末梢気管支が乾酪物質などで充填され、末端が膨らんだものをTree in budという。小葉中心性結節の中にtree-in-budがある。)はこのブログの記事では多く出てきています。そのため、「小葉中心性結節 = この疾患」 という思考過程の中で鑑別をしなくてはいけない疾患が増えて迷ってしまいます。(特異的な所見ではないので、すぐには疾患にはつながらないのであしからず)。なにと鑑別するかというのは以下の通りです。
- 非結核性抗酸菌症(NTM)
- マイコプラズマ
- 肺結核
- 気管支肺炎
- びまん性汎細気管支炎
- 真菌症
- ランゲルハンス細胞組織球症
- 珪肺など
参考記事 若年層に多い非定型肺炎のマイコプラズマ肺炎を大解析!
参考記事 NTM(非結核性抗酸菌症)を理解して気管支拡張像2個も覚えよう!
肺結核症の画像所見のまとめ
まず、上の参考記事にも載せましたが、「結核病学概説」より抜粋させていただきました肺結核の進展過程や治癒過程より画像所見をまとめます。
- 滲出性病巣 → Consolidation、すりガラス影
- 浸潤乾酪巣 → 粒状影
- 非硬化壁空洞 → 粒状影(空洞化)
- 硬化壁空洞 → 粒状影(空洞化)
- 管内進展 → 小葉中心性結節(Tree in bud)
そして、文章では書きましたが、一次結核と二次結核についてまとめます。
- 一次結核 → 滲出性病変
- 二次結核 → 被包化、石灰化
一次結核の滲出性病変は液体(水分)がメインになるために肺CTでは、淡い陰影になります。そのため、粟粒結核は陰影が淡くなることが多いです。また、二次結核は一次結核でマクロファージに取り込まれていることより肉芽腫を作ります。つまり、細胞がメインになるため、肺CTでは滲出性病変より濃い陰影(high contarast)になります。また、肉芽腫が大きくなれば腫瘍の様に見えることもあります。
症例提示したCT画像の鑑別ポイント
もう答えはほぼ出ているのですが、濃い陰影(肉芽腫形成)をしている方が濃い陰影(high contrast)になるので左が「肺結核」、右が「マイコプラズマ」ということになります。全てがこうなるというわけではありませんが、ひとつの鑑別点として使ってみてください。
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