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イレウス(腸閉塞)を理解して、腹部X線写真(レントゲン)のポイントを押さえる!

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こんにちは。@ラジグラです。今回のテーマは「イレウス(腸閉塞)」についてやっていこうと思います。急性腹症や検査で言うと腹部X線写真(レントゲン)からCTまで色々とあると思いますが、腹部X線写真(レントゲン)から攻めていこうと思います。以前も記事にはしたのですが、腹部X線写真(レントゲン)は難しいですよね。。。本当に

腹部レントゲンの読影を簡単に!特に液体貯留!

こんばんは。@ラジグラです。 救急撮影技師などでも役に立つのかわかりませんが、今回は腹部単純レントゲンでわかる腹水(出血等)について簡単なサインをやっていこうと思います。 今回は症例の写真が少ないので ...

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最近、いろいろなジャンルを記事にしていますが、@Lineで要望が来るようになったということがとても大きいです。ちゃんと記事に出来るかわからない要望も何個かあり...勉強の意味を含めて、少しづつ対応出来たらと思います。今回のテーマは@Lineで要望をいただいた「イレウス」についてです。要望をいただいた方、ありがとうございます。

 

イレウス(腸閉塞)を分類から理解する!

まず、これがないと腹部レントゲンを読影補助するにしても成り立たないので、基礎とは思いますが、やっていこうと思います。あとイレウス腸閉塞って結構同じように使っている後輩が多いのですが、「イレウス」と「腸閉塞」には違いがあります(海外では)。厳密にいうとイレウスが大分類になり、その中に腸閉塞という小分類があります。英語で「ileus」はイレウスになり、「Bowel Obstruction」が腸閉塞になります。イレウスは機能性になり、腸閉塞は機械性に分類されます。

イレウス(腸閉塞)の分類

今は腹部CTがイレウス(腸閉塞)の診断・治療には大きな役割を果たしていると思います。その中で緊急性があるものは、「絞扼性イレウス」になります。なぜ、「絞扼性イレウス」が緊急なのかというと「血行障害」があるために、腸管が死んでしまうからです。でも、今回は腹部X線写真(レントゲン)がターゲットでいきます!!

イレウス(腸閉塞)を部位別から考える!

イレウスは腸管狭窄・閉塞腸管運動障害・吸収障害なので、大腸と小腸で発生する疾患ということになります。上で分類したイレウス(腸閉塞)を大腸イレウスと小腸イレウスにわけてみましょう。

イレウス(腸閉塞)分類・大腸と小腸

大腸ヒダ(haustra)と小腸ヒダ(kerckring)の違いは?

上で分類を大腸と小腸にわけましたが、鑑別点は「大腸ヒダ(haustra)」がみえるのか「小腸ヒダ(kerckring)」が見えるのかということになります。小腸ヒダのほうが細かく、大腸ヒダのほうが太いイメージです。

ハウストラとケルクリング

また、腹部レントゲンでイレウス(腸閉塞)を疑うなら、拡張している腸管のサイズで疑いをかけていきます。

  • 小腸なら、2.5から3.0cmの拡張
  • 大腸なら、5.0から6.0cmの拡張
  • 盲腸なら、9.0cmの拡張で穿孔を疑う。
  • 自分は覚えやすいように「腸管拡張は3、6、9ルール」と語呂合わせしている。

腸管拡張は3、6、9ルール!

つまり、ニボー(niveau)を確認することも重要だが、臥位でもある程度疑いの気持ちはもてるのではないでしょうか?でも、注意があります。腹水や寝たきり患者の場合は、蠕動が低下してるので、ガスが溜まっている(鼓腸)のため参考になりません。

イレウスの位置同定ですが、機械性イレウスなら時々わかることがあります。上に提示した左側の臥位の腹部X線写真(レントゲン)では、横行結腸から脾湾曲まではガスが認識できるが、S字結腸からは認識できないことよりS字結腸に閉塞起点があることが疑える。遠位側にガスが無くなる部分を閉塞起点と考えます。

イレウスのサインはニボー(niveau)だけじゃない!

ニボー(niveau)」はわかりやすいですよね。ニボー(niveau)とは立位腹部X線写真(レントゲン)で腸管の空気と腸管内容物の境が水平の液面形成することを示します。言葉だと難しいですが、写真だとわかりやすいですよね…

ニボー(niveau)

次は、「sentinel loop sign」!これは横行結腸が右から左にほとんど拡大している状態をいいます。これに付随して、「colon cut off sign」というものもあります。「colon cut off sign」は、横行結腸から続くガスが脾湾曲で途絶するサインです。これらのサインは、限局性麻痺性イレウスを示すだけでなく、急性膵炎によっても引き起こされます。では、発生機序を考えていきましょう。

急性膵炎と麻痺性イレウス

この横行結腸を支配領域に入れる上腸間膜動脈(SMA)の近くにある膵臓の炎症が波及することで、横行結腸が攣縮を起こすこと(sentinel loop sign)が機序と言われています。そして、攣縮を起こすことで、肛門側へ蠕動を行えず、ガスがなくなってしまうということ(colon cut off sign)になります。同様に、急性胆嚢炎の場合は、右上腹部の腸管拡張、虫垂炎の場合は、右下腹部の腸管拡張がみられることがあります。

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特に注意してほしいのは、gasless abdomenだ!

イレウス(腸閉塞)=ニボー(niveau)と連想しがちですが、気をつけてほしいのは、「gasless abdomen」です。言葉の通りガスがない腹部X線写真(レントゲン)です。腸管ガスがないと一見正常とみえてしまうことがこわいところですね!腸管ガスがなくなってしまうのか?というと、嘔吐等によりガスがほとんど排出されてしまい、腸管内が液体で満たされているときになります。特に「gasless abdomen」は絞扼性イレウスが疑われるので、厳重な注意が必要で精査のCTが必要になります。

ということで、今回は「イレウス(腸閉塞)」をテーマに腹部X線写真(レントゲン)中心にやってみました。

腹部レントゲンに強くなる推察力をつける!

腹部レントゲンの読影補助をするときに、この一冊があれば十分に役に立つ!一枚の腹部レントゲンだが、実は思っているほど情報を取れてないことが多く、結局CTで精査するということになる。CTなど高度医療機器の性能は疑いの余地もないが、腹部レントゲンをもう少し理解することでCTの性能も最大限まで発揮できるのだ。繰り返し症例を提示してくれる本で、読めば読むほど理解が進むようになっている。

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ラジグラ

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