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脳ドックで偶発的に見つかる「くも膜顆粒」ってなにもの?役割は?

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こんにちは。@ラジグラです。先日、脳ドックの受診者のMRIを見て、名前が思い出せなくて、ちゃんと説明できなかったので記事にしてみました。よく脳ドック・頭部MRIや頭部CT検査で偶発的に見つかる「くも膜顆粒」をテーマに書いていこうと思います。

偶発的に見つかるくも膜顆粒ってどんな画像?

くも膜顆粒のMRI画像

脳ドックや頭部MRI、頭部CTで頭蓋骨内に分葉状の構造物が見えることがありませんか?頭部MRIのT2強調画像で高信号、T1強調画像やFLAIRでは低信号の構造物!頭部CTでは、頭蓋骨内に突出する低信号!

では、そもそもこれは異常なのか、正常なのか?なんなのか?役割は?というお話を続けていきます!

これは「くも膜顆粒」という構造物!

タイトルに答えを書いてしまっているのですが。。。解剖から!

以前、記事にした「急性硬膜外血腫」と「急性硬膜下血腫」で頭蓋骨付近の解剖をやっているので、解剖についてはざくっといきますね。脳は外側から「硬膜」「くも膜」「軟膜」で包まれています。この軟膜とくも膜の間にあるのが、「くも膜下腔」であり、ここに脊髄液(CSF)が流れています。そして、くも膜下腔より突出している構造物を「くも膜顆粒」といいます。イラストからもわかるように一部は頭蓋骨内に入り込んで、「くも膜顆粒小窩」を形成します。これらが上で提示したMRI画像の構造物の正体になります。

くも膜顆粒のイラスト

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くも膜顆粒の役割は?

くも膜顆粒」の説明の前に脳脊髄液(CSF)の説明をしますね。脳脊髄液(CSF)は脈絡叢より1日およそ500ml産出されています。つまり、この産出(増加)している脳脊髄液(CSF)をずっとくも膜下腔や脳室にとどめておくわけにはいきません。脳室などにどんどん留めていると下のCT画像のように側脳室(脳室)が開大して、水頭症になってしまいます。ちょっと余談にはなるのですが、水頭症の原因は以下の事が挙げられます。ほとんどが脳脊髄液(CSF)が関与しています。

  • 脳脊髄液産生過多
  • 脳脊髄液通過障害
  • 脳脊髄液の吸収障害

水頭症のCT画像

前述したように脳脊髄液(CSF)の1日の産出量は約500mlで、頭蓋内にある脳脊髄液(CSF)は170mlとされています。つまり、1日で約3回入れ替わっていること(循環)になります。この循環の役割を担うのが「くも膜顆粒」になります。脳脊髄液(CSF)はくも膜下腔より突出して「くも膜顆粒」を通して、静脈洞に流れ出るようになっています。ということは、中身は脳脊髄液になり、T2強調画像でflow void内に貯まる脳脊髄液なので高信号、循環をしているためT1強調画像ではflow voidの影響で低信号になるというわけです。もちろん、CTでは脳脊髄液(CSF)なので低信号になります。

しかし、この脳脊髄液(CSF)の循環については、疑問視されている部分が数多くあり、今後も注目されている部分でMRIのTime-SLIP法を活用して解析・研究などがされています。

では、簡単にまとめて、ちょぼちょぼ書いてみました。

  • 頭蓋骨内に「くも膜顆粒小窩」を形成している「くも膜顆粒」で、中身は脳脊髄液(CSF)
  • 脳脊髄液(CSF)のために、CTでは低信号
  • 脳脊髄液(CSF)のために、MRIのT2WIでは高信号、T1WI・FLAIRでは、低信号
  • 頭蓋骨内に見える分葉状の構造物
  • 好発部位は横静脈洞からS状洞
  • 大体1cm未満(巨大化すると頭痛の原因に!)

ということで、今回は、偶発的に見つかる「くも膜顆粒」をテーマに記事を書きました。

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ラジグラ

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